工場・倉庫の屋根の種類について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説

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工場や倉庫の屋根は、建物を紫外線や雨風から守るだけでなく、内部の機械や設備を保護する上で欠かせない存在です。さらに、音漏れを軽減する機能もあり、周囲への影響を抑える役割も果たしています。屋根の種類は多岐にわたり、それぞれの特性が重要視されるため、選定には慎重さが求められます。
屋根材の選択肢には、スレート屋根や折板屋根、瓦棒屋根などがあります。特に、大規模な工場や倉庫では耐久性や遮音性が重要であり、メンテナンスの容易さやコスト、美観も考慮される要因です。これらのポイントを総合的に評価することで、施設の運営に最も適した屋根材を選ぶことが可能となります。
屋根の種類とその特性を理解することで、工場や倉庫の機能性や効率を向上させる助けになります。それぞれの屋根材の違いを把握し、適切な選定を行うことが、長期的に見て重要な要素となるでしょう。
工場や倉庫で使われる屋根の種類とは?
工場の屋根の種類や倉庫に用いられる屋根材としては、主に「波型スレート屋根」「折板屋根」「瓦棒屋根」の3種類が挙げられます。それぞれの屋根の種類には独自の特徴と利点があり、施設の用途や条件に応じて選ばれる傾向があります。
工場の屋根の種類や倉庫に採用される屋根材を選ぶ際には、施設の規模や使用環境、予算などを考慮しながら適切なタイプを選ぶことが重要です。それぞれの屋根の種類が持つ特性を理解し、最適な屋根材を選ぶことで、より効率的で安全な施設運営を実現することができます。
スレート屋根の特徴
スレート屋根は、セメントと繊維を混ぜた素材で構成され、波状に成形された屋根材が一般的です。その中でも、「波板スレート」と呼ばれるものは、多くの工場や倉庫で広く採用されている代表的な屋根材です。スレート屋根は高い耐久性や断熱性を持ち、遮音性にも優れ、特に音の反響を抑えたい施設には最適な選択肢と言えます。
波板スレートは、波の高さによって「大波スレート」と「小波スレート」に分類されます。現在では、大波スレートが主に屋根や外壁の素材として使用されており、一方で小波スレートは外壁材として利用されるケースが一般的です。ただし、築年数が古い建物では、小波スレートが屋根材として使用されている事例も多いです。
また、スレート屋根のもう一つの魅力はデザインの多様性です。屋根材として幅広い形状やデザインに対応可能で、美観にも優れるため、外観を重視する工場や倉庫の設計においても理想的です。これにより、機能性だけでなく見た目の美しさを兼ね備えた建物づくりが実現できます。
折板屋根の特徴
折板屋根は、金属をジグザグに折り曲げた構造を持つ屋根材であり、屋根の種類の中でも特に優れた特徴を持っています。この独特な形状は、金属を折り曲げることで強度を高める構造に起因しています。その結果、折板屋根は軽量でありながら高い耐久性と強靭性を誇り、特に風の強い地域や広い屋根を必要とする施設で重宝されています。
折板屋根のもう一つの特徴は、梁や母屋に直接設置する構造であるため、野地板を必要としない点が挙げられます。これにより施工が簡単になり、工期を大幅に短縮することが可能です。このような効率性は、特に工場や倉庫、体育館などの大規模施設での採用を後押ししています。また、耐候性にも優れており、風雨への耐性が高い点から、大型施設のみならず、事業用施設全般で広く採用されている理由のひとつと言えるでしょう。
近年では、工場や倉庫などの施設で折板屋根が主流となってきており、その高い機能性が多様な用途で活かされています。これらの特徴を考慮すると、折板屋根は強度や施工性が求められる場面で非常に適した屋根材であることがわかります。
瓦棒屋根の特徴
瓦棒屋根は、細い角木材の瓦棒と金属の溝板で構成された伝統的な屋根形式です。これにより、雨水の排水性能が向上し、倉庫などの建物の保護に寄与します。特にガルバリウム鋼板が用いられることが多く、耐久性や軽量性が求められる今日のニーズに応えています。
屋根の形状としては、斜めに設計されており、積雪や雨水が溜まりにくいのが特徴です。このため、メンテナンスも比較的容易と言えます。薄型でありながら強度があるため、施工性にも優れ、さまざまな倉庫のサイズや用途に適応可能です。
スレート屋根のメリット・デメリット
スレート屋根は、工場や倉庫の屋根材として広く用いられていますが、そのメリットとデメリットがあります。
これらの要因を考慮して選定することが重要です。
スレート屋根のメリット
スレート屋根のメリットには、非常に高い耐久性や遮熱性、耐火性、そして遮音性が挙げられます。特に倉庫や工場においては、雨風や火災からの保護が求められるため、耐久性や耐火性の高さは大きな利点です。
さらに、スレート屋根は高い遮音性を持っているため、屋根に当たる雨音が室内に響きにくく、静かな作業環境を維持することが可能です。
また、高性能でありながら比較的安価であるため、メンテナンス時の交換作業も容易に行えます。こうした特徴により、スレート屋根は多くの工場や倉庫で好まれる選択肢となっているのです。
スレート屋根ののデメリット
スレート屋根のデメリットには、汚れやすさが挙げられます。表面がザラザラしているため、砂ぼこりや汚れが付着しやすく、外観を損ねる可能性があります。これが放置されると、企業イメージにも悪影響を与えることがありますので、定期的な清掃やメンテナンスが必要です。ただし、波板スレートを利用する際には注意点もあります。 特に2004年以前に製造された製品については、その多くにアスベストが含まれている可能性があるためです。アスベストが利用された屋根材は通常の状態では安全ですが、破損や解体時に飛散リスクが発生します。そのため、解体や処分を行う際には、資格を持つ専門作業員による適切な方法で進める必要があります。
折板屋根のメリット・デメリット
次に折板屋根のメリットとデメリットを説明します。
折板屋根のメリット
折板屋根のメリットは、まず優れた強度と軽量性にあります。ジグザクの蛇腹形状により、真っすぐな金属板に比べて強い構造を実現しています。また、主に使用されるガルバリウム鋼板は耐久性が高く、サビに対しても強い特徴があります。
さらに、折板屋根は施工が簡便で、下地が不要なため、工期短縮とコスト削減が可能です。このように効果的な施工と優れた特性により、折板屋根は倉庫や工場の屋根材として非常に人気があります。
折板屋根のデメリット
折板屋根にはいくつかのデメリットがあります。まず、金属製であるため、熱伝導率が高く、断熱性や遮熱性が劣ります。このため、屋根材が太陽熱を直接受けると、室内の温度が影響を受けやすくなり、空調の効率が低下します。
さらに、折板屋根はその構造上、遮音性も低く、雨が降ると雨音が室内に響いてしまいます。これにより、作業環境に影響が出ることも考えられます。
加えて、ガルバリウム鋼板はサビに強いとはいえ、傷やボルト部分からサビが進行するリスクがあるため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。これらの点を考慮することが重要です。
瓦棒屋根のメリット・デメリット
続いて瓦棒屋根のメリットとデメリットを説明します。
瓦棒屋根のメリット
瓦棒屋根は軽量な金属製の屋根であり、その特性から多くの利点があります。
まず、軽量であるため、建物への負担が少なく、大規模な工場や倉庫への設置にも適しています。この特性は耐震性にも寄与するため、安全性が求められる施設にとって大きなメリットです。
さらに、材料費が比較的安価で、施工も簡単なため、コストを抑えて屋根を設置することが可能です。これにより、短期間での工事が実現し、運営コストの削減にも繋がります。
加えて、瓦棒屋根はメンテナンスの手間も少なく、長期間にわたって安定した性能を提供します。このため、経済的かつ機能的に優れた選択肢として、多くの企業に泉されているでしょう。
瓦棒屋根のデメリット
瓦棒屋根はその魅力的なデザインや耐久性が評価される一方で、いくつかのデメリットも存在します。一つは、遮音性や断熱性が低いことです。金属製であるため、雨音や外部の騒音が直接響きやすく、内部の温度管理が難しくなることがあります。さらに、施工が比較的難しいため、専門の技術者による工事が必要となります。
こうした理由から、瓦棒屋根は他の屋根材に比べて施工費用が高くなる可能性があります。また、金属の特性として結露が発生しやすく、適切な防止策を講じないと内側での水滴の発生が懸念されます。これにより、構造体への影響やカビの発生リスクも考慮する必要があります。
総じて、これらのデメリットを理解し、用途や環境に応じて最適な選択を検討することが重要です。
適切な屋根材を選ぶためのポイント
工場や倉庫の屋根材を選ぶ際には、屋根の種類や屋根の形を考慮することが重要です。まず、使用目的や環境条件に適した屋根材を見極める必要があります。
例えば、波型スレート屋根はセメント製で、耐久性や遮熱性に優れていますが、汚れやすいという側面もあります。一方、折板屋根や瓦棒屋根は金属製で軽量かつコストパフォーマンスが良いですが、遮熱性や遮音性には注意が必要です。
また、屋根の形状も重要な要素です。平らな屋根と傾斜のある屋根では、雨水の排水性やメンテナンスの手間が異なります。これらのポイントを踏まえ、自分の施設にとって最適な屋根材を選択することが求められます。
倉庫・工場の屋根補修の方法
倉庫や工場の屋根補修は、建物の耐久性を保つために欠かせない作業です。まず最初に、補修を始める前に屋根の状態を詳しく確認し、劣化や問題箇所を特定することが重要です。具体的には、スレート屋根やその他の屋根材に発生するひび割れ、サビ、剥がれといった損傷を注意深くチェックします。また、雨漏りの有無や内部への水の浸入も確認し、必要に応じて早期の対応を行うことが求められます。
大規模な補修方法として、カバー工法や葺き替えの選択肢も検討できます。カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる方法で、工事費用を抑えるだけでなく、倉庫や工場の稼働を中断せず施工できる利点があります。この際、軽量なガルバリウム鋼板を使用することで、屋根が重くなりすぎるリスクを軽減できます。一方、葺き替えは既存の屋根を完全に撤去して新しい屋根材に取り替える方法で、新築同様の状態を実現できます。しかし、コストや工事規模の点でカバー工法より負担が大きい場合があるため、慎重な検討が必要です。
まとめ:工場・倉庫の屋根材選びの重要性
工場や倉庫の屋根材選びは、施設の機能や安全性に大きく影響します。異なる屋根材には各々の特性があり、使用される環境や求められる性能に応じて選択することが重要です。たとえば、耐久性や耐火性に優れたスレート屋根や折板屋根のように、目的に応じて実績のある材料を選ぶことで、長期的な運用コストを抑えることが可能です。これらの屋根材は、構造の安定性にも寄与し、事業継続に大きな影響を与えます。
また、屋根の状態が悪化すると、修繕や補修が必要になるため、その選定は経済的な視点からも重要です。適切な屋根材を選ぶことで、建物全体の状態を維持し、安定した業務運営を支える基盤を築くことができます。このように、工場や倉庫における屋根材の選定は、多方面にわたって重要な役割を果たしています。
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一級土木施工管理技士 10人 -
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設備設計一級建築士 1人
土地家屋調査士 1人
一級建設業経理士 2人
中小企業診断士 1人
会社概要
社名 | 株式会社澤村 |
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本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
創業 | 昭和25年12月6日 |
資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
役員氏名 |
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取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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