工場・倉庫の省エネ設備とは?それぞれのメリットを解説
最終更新日:
工場や倉庫の運営において、省エネ対策は単なるコスト削減にとどまらず、環境保護や企業イメージの向上にも寄与する重要な取り組みです。省エネ設備の導入は、エネルギー効率の改善を図るだけでなく、持続可能な経営基盤の確立にもつながります。
本記事では、省エネ設備の種類やそれぞれのメリット、そして導入に伴う課題について詳しく解説します。効率的で環境に優しい運営を目指す方は、ぜひご一読ください。
工場・倉庫の省エネ設備
工場・倉庫の省エネ設備について詳しく見ていきましょう。
照明設備
工場や倉庫で最初に取り組みやすい省エネ対策が、照明設備の見直しです。既存の蛍光灯や水銀灯をLED照明に交換するだけでも、消費電力の大幅な削減が可能です。LEDは従来の照明より寿命が長く、頻繁な交換作業が不要となるため、維持管理コストの削減にもつながります。
さらに、照明制御システムを導入すれば、必要なエリアや時間帯に応じた点灯制御が可能となり、無駄な電力消費を防げます。また、ハイブリッド外灯を採用することで、太陽光や風力を利用した持続可能な照明も実現できます。
屋根・壁・窓の断熱
断熱対策は、工場や倉庫の温度管理において極めて重要です。屋根に断熱塗料を塗布することで、太陽光を反射し、室内に伝わる熱量を削減できます。この方法を導入することで、室温を3~4℃低下させ、空調負荷を軽減することも可能です。株式会社澤村の遮熱・断熱塗料「クールサーム」は、室内温度を大幅に低下させる効果があり、快適な環境作りに貢献します。実際に同じ建物内の屋根をクールサームと他社製品(S社)で塗装し、3ヶ月後の室内温度を比較したところ、クールサームは他社製品より最大5.4℃の差を生み出しました。
屋根表面の温度は20~30℃低下し、室内温度も5~7℃低下することが確認されています。
また、クールサームを使用することで空調機の効率が向上し、空調費を約40%削減する事例もあります。省エネルギー対策としても優れており、環境にも経済にも優しい選択肢です。
壁や窓には高性能な断熱材を使用することで、外気温の影響を抑え、快適な作業環境を実現できます。屋根材に使用する塗料については、遮熱・断熱効果を長く持続させるために、定期的なメンテナンスが重要です。たとえば、澤村の「クールサーム」は、10年経過した場合でも、外気温が1℃高い環境下で室温を39℃から33.5℃まで低下させる効果が確認されています。
しかし、長期間の使用で表面の塗膜が劣化する可能性があります。そのため、クールサームのような高性能塗料を使用しても、劣化を防ぎ、断熱効果を持続させるために、10年を目途にトップコートを塗り直すことが大切です。
ボイラー
工場や倉庫で使用されるボイラーの更新も重要な省エネ対策の一つです。老朽化した大型ボイラーを貫流ボイラーに変更することで、燃料効率が向上し、エネルギーコストを削減できます。
貫流ボイラーは、立ち上がり時間が短いため、必要な時だけ運転することで無駄な燃料消費を抑えられます。さらに、複数台のボイラーを台数制御システムで管理することで、需要に応じた最適運転が可能となります。
空調設備
空調設備の更新は、省エネ効果が高い対策の一つです。特に古いビル用マルチエアコンを最新型の空調システムに交換することで、年間の消費電力を約50%削減できるケースがあります。最新の空調設備では、遠隔制御機能やデマンド監視機能が備わっており、気候や利用状況に応じた最適な制御が可能です。
これにより、無駄な電力消費を抑えながら、快適な作業環境を維持できます。省エネ換気システムと組み合わせることで、さらに効率的な温度管理が実現します。
コンプレッサー
コンプレッサーは工場や倉庫でのエネルギー消費の大きな部分を占めるため、効率的な運用が重要です。インバータ化により、運転状況に応じて出力を調整できるため、不要なエネルギー消費を削減できます。
これにより、特に部分負荷運転時の電力使用量を大幅に減少させることが可能です。さらに、複数台のコンプレッサーを運用している場合には、台数制御システムを導入することで、需要に応じた最適な台数での運転が可能となります。これにより、全体のエネルギー効率が向上し、電力コストの削減に直結します。
高効率変圧器
変圧器の効率を改善することは、省エネ対策の中でも見逃せないポイントです。高効率変圧器への交換により、変圧器運転時の発生損失を大幅に削減できます。
例えば、1992年製の変圧器を最新のスーパー高効率変圧器に変更した場合、損失が56%も改善されるという具体的な事例があります。エネルギーの無駄を大幅に削減できるだけでなく、長期的な電力コストの抑制も可能です。
特に古い変圧器を使用している施設では、交換による効果が顕著に現れます。
エネルギー管理
エネルギー管理システムは、工場や倉庫における省エネ対策を効率的に進めるための重要なツールです。このシステムを導入することで、エネルギーの使用状況を時系列で詳細に記録し、グラフや帳票として可視化できます。
どの設備が多くのエネルギーを消費しているかを正確に把握し、具体的な省エネ対策を計画することが可能です。また、エネルギー使用データを活用することで、運用効率の改善や設備の更新タイミングを見極めるなど、長期的なエネルギーコストの削減にもつながります。
工場・倉庫の省エネのメリット
工場・倉庫の省エネのメリットについて詳しく見ていきましょう。
ランニングコストを削減できる
省エネ対策を行うことで、工場や倉庫の運営にかかる電気代や燃料費を削減できます。 例えば、LED照明や高効率機器への交換、断熱材の強化などにより、エネルギー効率を大幅に向上させることが可能です。 これらの対策は初期投資が必要ですが、長期的にはランニングコストの大幅な削減につながり、企業の経営基盤を安定させる重要な施策となります。
環境保護に貢献できる
省エネは、企業の二酸化炭素排出削減や環境負荷軽減に直結します。 太陽光発電システムや再生可能エネルギーの活用など、持続可能なエネルギー使用を促進することで、地球環境の保護に貢献できます。 これにより、持続可能な社会づくりに取り組む企業としての姿勢を内外に示すことが可能です。
企業イメージが向上する
省エネ対策を進めることで、環境への配慮を実践する企業として社会的評価が高まります。 特にCSR(企業の社会的責任)活動の一環として省エネを推進することで、取引先や顧客からの信頼が向上し、ブランドイメージの向上につながります。 環境問題への関心が高まる中、消費者やビジネスパートナー、投資家から選ばれる企業となるための重要な要素となります。
工場・倉庫の省エネの課題
工場・倉庫の省エネの課題について詳しく見ていきましょう。
導入コストが高い
省エネ設備を導入する際、初期投資が高額になることが多く、特にLED照明、高効率機器、断熱材、太陽光発電システムなどの設置には大きな費用がかかります。 さらに、これらの効果が目に見える形で現れるまでに時間がかかる場合があり、短期的にはコスト圧迫が懸念されるため、経営判断における障壁となることがあります。
設備導入時の稼働停止が必要
省エネ設備を導入する際、工場や倉庫の一部または全体の稼働を一時停止せざるを得ない場合があります。 この停止期間中に生産や物流が滞ることで、業務に大きな影響を与える可能性があります。 導入計画の際には、停止期間の短縮や業務への影響を最小限に抑えるための事前調整が不可欠です。
効果測定が難しい
省エネ対策の成果を適切に測定し評価するには、高度なエネルギー管理システムが必要です。 しかし、多くの企業ではデータ収集や分析に十分なリソースが割けず、導入効果が明確にならないことがあります。効果測定のためのシステム整備とスキルの向上が重要な課題です。
従業員への負担が増える場合がある
新しい省エネ設備やエネルギー管理システムの導入に伴い、従業員には新たな運用方法や機器の操作についてのトレーニングが必要となる場合があります。 この負担が日常業務に影響を及ぼす可能性があり、スムーズな導入を実現するためには従業員へのサポート体制を整えることが求められます。
まとめ
工場や倉庫での省エネ対策は、エネルギーコストの削減、環境負荷の軽減、企業価値の向上といった多くのメリットをもたらします。一方で、導入コストや稼働停止、従業員への負担などの課題も存在しますが、適切な計画とサポート体制を整えることでこれらを克服することが可能です。
省エネは持続可能な社会を実現するための一歩であり、企業にとっても長期的な成長を支える鍵となります。ぜひ、今回の内容を参考に、貴社の省エネ対策に役立ててください。
工場・倉庫の省エネは株式会社澤村にご相談ください。
工場建設・倉庫建設なら「カナリス建築」
低価格・短納期・大空間すべて叶えるシステム建築。
工場・倉庫・物流施設や店舗に適した工法であるシステム建築。関西1位の施工実績を持つSAWAMURAでは、設計力を活かした柔軟な対応や充実したアフターサポートの体制を整え「カナリス」として展開しています。お客さまの要望に最適なシステム建築とサービスを組み合わせ、あらゆるご要望に応えます。
SAWAMURAについて
1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。
関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。
- 2020年
- 関西ブロック優秀ビルダー賞1位
- 2019年
- 関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞 - 2018年
- 関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞 - 2017年
- アクティブビルダー銅賞受賞
- 2016年
- アクティブビルダー銅賞受賞
- 2015年
- アクティブビルダー 銅賞受賞
- 2012年
- 連続販売年数15年達成
- 2013年
- 15年連続受注賞
- 2008年
- 10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
- 2004年
- 優秀ビルディング
資格所有者
-
一級建築士 8人
一級建築施工管理技士 21人
一級土木施工管理技士 8人
二級造園施工管理技士 4人 -
宅地建物取引士 9人
設備設計一級建築士 1人
土地家屋調査士 1人
一級建設業経理士 2人
会社概要
社名 | 株式会社澤村 |
---|---|
本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
創業 | 昭和25年12月6日 |
資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
従業員数 | 138名 (グループ全体)※2022年9月時点 |
売上高 | 50億 (グループ全体)※2022年9月実績 |
営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
役員氏名 |
|
取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
工場・倉庫建築について
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
- これから計画を始める方
- おおよその予算やスケジュールが知りたい方
- 敷地調査や提案を希望される方