倉庫・工場のシャッターはどう選ぶ?種類ごとの特徴や正しい選び方を解説

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倉庫や工場に設置するシャッターは、単なる出入口としての機能だけでなく、施設の安全性、作業効率、衛生管理、そしてセキュリティを確保する上で極めて重要な役割を担います。 そのため、多種多様なシャッターの中から自社の目的や環境に最適なものを選び出すことが、事業運営の質を左右するといっても過言ではありません。

この記事では、倉庫・工場用シャッターの種類ごとの特徴や費用相場、適切な選び方のポイントから設置後のメンテナンスに至るまで、網羅的に解説します。

倉庫・工場のシャッター選びが重要な理由


倉庫や工場のシャッターは、人やモノの出入りを管理するだけでなく、事業活動全体に影響を及ぼす重要な設備です。 例えば、防犯性の低いシャッターは盗難のリスクを高め、企業の資産を危険に晒します。 開閉速度が遅ければ、車両の出入りや荷物の搬出入に時間がかかり、作業効率の低下は免れません。

また、気密性が不十分な場合、外部から塵や虫が侵入し、特に食品や精密機器を扱う工場では製品の品質管理に深刻な問題を引き起こす可能性があります。 さらに、断熱性が低いと外気の影響を受けやすく、空調コストの増大にもつながります。 このように、シャッターの選定は、セキュリティ、生産性、品質、コストといった経営の根幹に関わる要素に直結します。

倉庫・工場のシャッターの種類


倉庫・工場用のシャッターは、特定の機能に特化したものから、開閉方式、素材の違いまで、多岐にわたる種類が存在します。 例えば、火災の延焼を防ぐ防火シャッターや、塵や虫の侵入を厳しく管理する気密シャッターなど、用途に応じて専門的な機能を持つ製品があります。

また、開閉方式は手動か電動か、素材はスチールかアルミかといった選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。 自社の運用方法や環境条件、そして予算に合わせて、これらの特徴を正しく理解し、最適な組み合わせを選択することが求められます。

気密シャッター

気密シャッターは、シートとガイドレールが密着する構造により、シャッター全体の隙間を極力なくし、高い気密性を実現する製品です。 主な目的は、外部からの塵埃虫といった異物の侵入を遮断することにあり、室内の清浄度を維持するために用いられます。

そのため、クリーンルームが求められる半導体工場や精密機器工場、衛生管理が不可欠な食品工場や薬品工場などで特に需要が高いです。 高い気密性は、室内の圧力を一定に保つ陽圧陰圧管理にも寄与し、空調効率の向上にも効果を発揮します。 製品によっては、防虫効果のあるオレンジ色のシートを選択できるものもあり、特定の環境下での衛生管理をさらに強化することが可能です。

ワイドシャッター

ワイドシャッターは、その名の通り、通常のシャッターでは対応できない広い開口部に設置するために設計されたシャッターです。 大型トラックやフォークリフト、建設機械、場合によっては航空機などが出入りする物流倉庫や工場の搬出入口、格納庫などで使用されます。 間口が広くなる分、シャッターカーテン自体の重量が増し、風圧などの外的影響も受けやすくなるため、高い強度と耐久性が求められます。

このため、スラットの厚みや材質、ガイドレールの強度などが特別に設計されています。 設置する開口部の規模や環境に応じて、一枚のカーテンで構成されるタイプや、中間柱を用いて複数のシャッターを連結させるタイプなど、最適な構造が選定されます。

防爆シャッター

防爆シャッターは可燃性のガスや蒸気、粉塵などが存在する環境で、シャッターの作動が点火源となり爆発事故を引き起こすことを防ぐために設計された特殊なシャッターです。 化学工場、塗装ブース、危険物倉庫、その他引火性物質を取り扱う施設など、爆発の危険性が伴うエリアに設置されます。 このシャッターはモーターや制御盤といった電気部品が密閉構造になっており、内部で発生した火花が外部の可燃性ガスなどに引火しない仕組みを備えています。

またシャッターの開閉時に発生する静電気を除去する対策も施されています。 設置にあたっては、その場所の危険度を示す防爆ゾーン区分に基づき、適切な防爆性能を持つ製品を選定することが法律で義務付けられています。

防煙シャッター

防煙シャッターは、火災発生時に煙の拡散を防ぎ、安全な避難経路を確保することを主目的とする設備です。 建築基準法や消防法に基づき、大規模な商業施設やビル、工場、倉庫などの特定の区画に設置が義務付けられています。 このシャッターは、火災報知器の煙感知器と連動しており、煙を感知すると自動的に降下して区画を形成し、煙が他のエリアへ広がるのを食い止めます。

防火シャッターが炎の延焼防止を目的とするのに対し、防煙シャッターはあくまで煙の流動を遮断する役割を担います。 多くの場合、不燃性のシートや布でできており、防火シャッターと併設されるか、防煙性能を併せ持つ防火防煙シャッターとして設置されることもあります。

防火シャッター

防火シャッターは、火災発生時に炎の延焼を食い止め、被害の拡大を防ぐために設置される防災設備です。 建築基準法に基づき、建物の規模や用途に応じて設定される「防火区画」に設置が義務付けられています。 このシャッターは、熱や煙を感知するセンサーと連動しており、火災を感知すると自動的に閉鎖し、一定時間、炎を遮断する性能を持っています。

これにより、火が他の区画へ燃え広がるのを防ぎ、建物内にいる人々の避難時間を確保するとともに、消防隊の消火活動を助ける役割を果たします。 設置されている防火シャッターは、いざという時に確実に作動するよう、専門家による定期的な点検と所轄行政庁への報告が法律で定められています。

重量シャッター

重量シャッターは厚さ0.8mm以上の鋼板(スラット)で構成される、堅牢で耐久性の高いシャッターを指します。 その厚みと重量から、優れた防犯性能と耐風圧性を発揮するのが最大の特徴です。 このため、外部からの侵入を防ぐ必要がある工場の出入口や物流倉庫、店舗の正面、ガレージなど、セキュリティが重視される場所に広く採用されています。 スラットの厚みは0.8mmのほか、1.0mm、1.2mmといったバリエーションがあり、開口部の大きさや求められる強度に応じて選定されます。

シャッターカーテン自体が重いため、開閉は電動式が主流となっており、押しボタンスイッチやリモコンでスムーズに操作することが可能です。

高速シャッター

高速シャッターは、主にポリエステル製のシートなどを素材とし、その名の通り、非常に速いスピードで開閉できるシャッターです。 一般的に「シートシャッター」とも呼ばれます。 開閉時間が短いため、開口部が開放されている時間を最小限に抑えることができ、工場や倉庫内の温度管理や衛生管理に大きく貢献します。

具体的には、空調効率の向上による省エネ効果や、外部からの塵や虫の侵入防止に高い効果を発揮します。 人やフォークリフトの通行が頻繁な出入口や、クリーンルームと一般エリアを区切る間仕切りなどに最適です。 ただし、素材がシートであるため、スチール製の重量シャッターと比較すると、防犯性や耐風圧性は劣る傾向にあります。

開閉方式による違い

シャッターの操作性を決定づけるのが開閉方式であり、主に「手動式」と「電動式」に大別されます。 手動式はコストを抑えられる一方で、開閉に労力と時間が必要です。 対照的に、電動式はスイッチ一つで容易に開閉でき、作業効率を大幅に向上させますが、導入コストやメンテナンス費用が高くなる傾向があります。

どちらの方式を選ぶかは、シャッターのサイズ、設置場所、開閉頻度、そして予算を総合的に考慮して判断する必要があります。

手動式シャッター

手動式シャッターは、人の力で直接、あるいはスプリングやチェーンの補助を利用して開閉する方式です。 最大の利点は、電動式に比べて構造がシンプルであるため、設置費用を安価に抑えられる点にあります。 また、電気を使用しないため、ランニングコストがかからず、停電時でも問題なく操作が可能です。 故障のリスクも比較的低いとされています。

一方で、シャッターのサイズが大きくなるほど開閉に大きな力が必要となり、作業者の負担が増加します。 また、開閉に時間がかかるため、車両の出入りが頻繁な場所や、迅速な開閉が求められる環境には不向きです。 主に、開口部が比較的小さく、一日の開閉回数が少ない倉庫や通用口などで採用されます。

電動式シャッター

電動式シャッターは、モーターの動力を用いて自動で開閉する方式で、押しボタンスイッチやリモコン、各種センサーによって操作します。 最大のメリットは、大きなサイズや重量のあるシャッターでも、誰でも簡単かつ迅速に開閉できる点です。 これにより、作業者の負担が大幅に軽減されるだけでなく、車両や荷物の出入りがスムーズになり、作業効率の向上に直結します。

また、開口部の開放時間を短縮できるため、空調効率の維持や異物の侵入防止にも効果的です。 デメリットとしては、手動式に比べて導入費用やメンテナンス費用が高くなること、そして停電時には手動切り替え操作が必要になる点が挙げられます。 開閉頻度の高い主要な出入口や、大型シャッターに適しています。

素材による違い

シャッターの性能や外観、耐久性を左右する重要な要素が素材です。 主に「スチール製」「アルミ製」「ステンレス製」の三種類があり、それぞれに異なる特性を持っています。

強度やコストを重視するならスチール、軽さやデザイン性を求めるならアルミ、耐食性や衛生面を最優先するならステンレスといったように、設置環境や用途、予算に応じて最適な素材を選ぶことが、長期的な満足度につながります。

スチール製

スチール製のシャッターは、工場や倉庫で最も一般的に使用されている素材です。 その最大の理由は、強度と耐久性に優れ、比較的安価でコストパフォーマンスが高い点にあります。 厚みのある鋼板は外部からの衝撃に強く、高い防犯性能を発揮します。 また、素材自体が不燃であるため、防火性にも優れており、防火シャッターの素材としても広く用いられています。

一方で、デメリットとしては重量があるため、特に手動式の場合は開閉に力が必要になることや、水分や塩分によって錆が発生しやすい点が挙げられます。 そのため、美観や性能を長期間維持するためには、定期的な塗装などのメンテナンスが推奨されます。

アルミ製

アルミ製のシャッターは、スチール製と比較して非常に軽量であることが大きな特徴です。 この軽さにより、手動でもスムーズに開閉操作が行え、作業者の負担を軽減します。 また、アルミは素材自体が錆びにくいため、耐食性に優れており、沿岸部や湿気の多い場所でも美観を損なうことなく長期間使用できます。

デザインの自由度も高く、陽極酸化処理による着色などで多様な外観を実現できるため、店舗や商業施設、住宅ガレージなど、意匠性が求められる場所にも適しています。 ただし、強度や防犯性の面ではスチール製に劣る傾向があり、価格もスチール製より高価になることが一般的です。

ステンレス製

ステンレスは、シャッターの素材として用いられる金属の中で、最も高い耐食性と耐久性を誇ります。 鉄を主成分としながらクロムなどを含む合金で、表面に形成される不動態皮膜によって、錆の発生を強力に抑制します。 このため、潮風にさらされる沿岸部の施設や、薬品を取り扱う化学工場、そして衛生管理が厳しく求められる食品工場やクリーンルームなどに最適です。

メンテナンスの手間も少なく、長期間にわたって清潔な状態と美しい外観を維持できます。 一方で、優れた性能を持つ分、スチールやアルミと比較して材料費・加工費ともに非常に高価になる点が最大のデメリットであり、導入は特定の用途や環境に限定されることが多くなります。

倉庫・工場用シャッターの費用相場


倉庫・工場用シャッターの費用は、サイズや材質、機能、開閉方式など、様々な要素によって大きく変動するため、一概に「いくら」と示すことは困難です。 小規模な手動のスチールシャッターであれば数十万円から設置可能な場合もありますが、大型の電動式や防爆・防火といった特殊機能を備えたシャッターになると、数百万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

正確な費用を把握するためには、まず自社で必要とするシャッターの仕様を固めた上で、専門業者に現地調査を依頼し、見積もりを取得することが不可欠です。

シャッターの価格を左右する要素

シャッターの価格は、複数の要素が複雑に絡み合って決定されます。 最も基本的な要素は、シャッターの幅と高さ、つまりサイズです。 開口部が大きくなるほど、使用する材料が増え、構造的な強度も求められるため価格は上昇します。 次に素材で、一般的にはスチール、アルミ、ステンレスの順に高価になります。

開閉方式も価格を大きく左右し、手動式よりも電動式が高く、リモコンやセンサーなどのオプションを追加するとさらに費用がかかります。 さらに、防火、防爆、高速開閉、気密性といった特殊な機能が付加されると、価格は大幅に上がります。 これらの本体価格に加えて、既存シャッターの撤去費用や、設置場所の状況に応じた施工費も考慮する必要があります。

費用を抑えるためのポイント

シャッターの導入費用を抑えるためには、いくつかのポイントがあります。 まず最も重要なのは、複数の専門業者から相見積もりを取ることです。 これにより、価格だけでなく、提案内容や施工品質、アフターサービスなどを比較検討し、コストパフォーマンスに優れた業者を選ぶことができます。

次に、自社の用途に対して過剰なスペックの製品を選ばないことです。 例えば、開閉頻度が低い場所に高速シャッターを導入したり、必要以上の防犯性能を持つ高価な素材を選んだりすることを避け、必要な機能を慎重に見極めます。 また、国や地方自治体が実施している省エネルギー化や事業継続計画(BCP)強化に関する補助金制度が利用できる場合もあるため、事前に情報を収集することも有効な手段です。

倉庫・工場のシャッターを選ぶポイント


倉庫工場のシャッターを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを総合的に検討する必要があります。 まず、「設置目的の明確化」が不可欠です。 防犯、防火防災、衛生管理、作業効率の向上など、最も優先したい目的は何かをはっきりさせます。

次に、沿岸部で塩害の懸念があるか、粉塵や可燃性ガスが発生するかといった「環境条件の確認」も重要です。 また、「開閉頻度と速度」は作業効率に直結するため、1日に何回程度開閉するのか、車両の待機時間をどれだけ短縮したいのかを考慮します。 さらに、建築基準法や消防法などの「法規制の遵守」も必須であり、防火区画に該当するかどうかなどを事前に確認しておく必要があります。 最後に、これらの条件を満たした上で、初期費用とメンテナンス費用を含めたトータルコストが「予算」内に収まるかを見極めます。

シャッター設置後のメンテナンス

シャッターは設置して終わりではなく、その性能と安全性を長期間維持するために、定期的なメンテナンスが不可欠です。 メンテナンスを怠ると、スムーズな開閉ができなくなるだけでなく、部品の劣化による異音の発生や、最悪の場合はシャッターの落下といった重大な事故につながる恐れもあります。

特に、防火・防煙シャッターのような防災設備は、法律で定められた定期点検が義務付けられており、これを怠ると罰則の対象となる可能性もあるため注意が必要です。 適切なメンテナンスは、シャッターの寿命を延ばし、結果的に修繕コストの削減にもつながります。

定期的なメンテナンスの重要性

定期的なメンテナンスは、シャッターを安全かつ快適に使用し続けるために極めて重要です。 第一に、部品の摩耗や劣化を早期に発見し、シャッターカーテンの落下などの重大な事故を未然に防ぐことで安全性の確保につながります。

第二に、レール内の清掃や可動部への注油などを行うことで、スムーズな開閉性能を維持し、日常業務の効率低下を防ぎます。 第三に、小さな不具合の段階で対処することで、大規模な修理やシャッター全体の交換といった事態を避け、シャッターの寿命を延長させ、長期的なコストを削減できます。 特に、防火・防煙シャッターに関しては、定期検査と報告が法的に義務付けられており、その法的義務の遵守という側面からもメンテナンスは必須の業務です。

修理が必要なケースと対処法

シャッターの運用中に異常が発生した場合、迅速かつ適切な対応が求められます。 「開閉時にキーキーといった異音がする」「ガタガタと引っかかる感じがする」といった症状は、潤滑油の不足や部品の摩耗、レールの歪みなどが考えられます。 また、「電動シャッターがスイッチを押しても動かない」場合は、電源の問題やモーター、制御盤、センサーの故障が疑われます。

これらの異常を感じた際の最も重要な対処法は、無理に動かそうとせず、速やかに専門の修理業者に連絡することです。 自己判断で修理を試みると、かえって故障を悪化させたり、思わぬ事故を引き起こしたりする危険性があります。 専門家による正確な診断と適切な処置を受けることが、安全な復旧への最短ルートです。

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※2 クールサーム®の実証実験にて10年以上の耐久性を確認しています。詳しくは弊社スタッフまでお問い合わせください

この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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よくある質問


倉庫や工場のシャッター導入や運用を検討する中で、多くの担当者が共通の疑問を抱きます。 例えば、シャッターの寿命はどのくらいなのか、古い手動シャッターを電動化できるのか、といった実用的な問題から、修理費用や停電時の対応、補助金の活用といったコストや緊急時の対策に関するものまで、その内容は多岐にわたります。

ここでは、そうしたシャッターに関するよくある質問について、具体的な回答をまとめています。 事前の知識として備えておくことで、よりスムーズな計画立案やトラブル対応が可能になります。

工場用シャッターの耐用年数はどのくらいですか?


シャッターの耐用年数を考える際、「法定耐用年数」と「実際の寿命」は区別して捉える必要があります。 税法上の資産として扱われる金属製のシャッターの法定耐用年数は15年と定められています。 これは減価償却の計算に用いられる年数です。 一方、製品としての実際の寿命は、使用環境、開閉頻度、メンテナンスの状況によって大きく変動します。

一般的には10年から20年程度が目安とされますが、沿岸部などの厳しい環境下では劣化が早まる傾向があります。 逆に、定期的な清掃や専門家による点検・メンテナンスを適切に行うことで、法定耐用年数を超えて20年以上、問題なく使用できるケースも少なくありません。

手動シャッターを後から電動化することはできますか?

現在使用している手動シャッターを後から電動化することは、多くの場合において可能です。 専門業者が既存のシャッターに電動化キット(モーターや制御盤、スイッチなど)を取り付けることで、大掛かりな交換工事をすることなく、利便性の高い電動シャッターに変更できます。

これにより、日々の開閉作業の負担が大幅に軽減され、作業効率の向上が期待できます。 ただし、シャッターのスラット(カーテン部)やレールに大きな歪みや損傷がある場合、スムーズな電動開閉ができないため、電動化の前に修理やシャッター自体の交換が必要になるケースもあります。 そのため、電動化を検討する際は、まず専門業者に現地調査を依頼し、シャッターの状態を確認してもらうことが不可欠です。

シャッターの修理費用はどのくらいかかりますか?


シャッターの修理費用は、故障の箇所や損傷の程度、シャッターの種類やサイズによって大きく異なるため、一概に具体的な金額を示すことは困難です。 例えば、ガイドレールの軽微な歪み修正や、スイッチなどの小さな部品交換であれば数万円程度で済む場合があります。

しかし、シャッターカーテンを構成するスラットが複数枚損傷して交換が必要になったり、電動シャッターのモーターや制御基板が故障して交換したりする場合には、数十万円単位の費用がかかることも珍しくありません。 正確な費用を知るためには、必ず専門業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取得することが必要です。 その際、複数の業者から見積もりを取ることで、費用の妥当性を判断しやすくなります。

停電時に電動シャッターを開閉する方法はありますか?

ほとんどの電動シャッターには、停電などの非常時に備えて手動で開閉するための機能が標準で装備されています。 一般的には、モーター部分やシャッターケース内に設置された手動切り替えレバーやハンドルを操作することで、電動駆動から手動モードに切り替えることができます。 切り替え後は、付属のチェーンやハンドルを使って、人の力でシャッターを巻き上げたり下ろしたりすることが可能です。

また、オプションとして、停電時でも一時的に電動での開閉を可能にするバッテリー(蓄電池)装置を搭載できるモデルもあります。 万が一の事態に備え、あらかじめ手動への切り替え方法を確認し、操作方法を関係者間で共有しておくことが、事業の継続性を確保する上で重要です。

シャッターの設置や改修に使える補助金はありますか?


シャッターの設置や改修にあたり、国や地方自治体が提供する補助金制度を利用できる場合があります。 全てのケースで適用されるわけではありませんが、特定の目的を持った改修が対象となることが多いです。 例えば、断熱性の高いシャッターを導入して工場の省エネルギー化を図る工事は、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」などの対象になる可能性があります。

また、事業継続計画(BCP)の一環として、災害時の被害を軽減するための防水シャッターや耐風圧性の高いシャッターを設置する場合も、関連する補助金の対象となることがあります。 これらの補助金は公募期間や要件が定められているため、中小企業庁の「ミラサポplus」や各自治体のウェブサイトで最新の情報を確認することをおすすめします。

おわりに

倉庫工場におけるシャッターの選定は事業の根幹を支える重要な投資判断です。 防犯や防災といった安全性の確保から作業効率の向上、品質管理の徹底、さらには光熱費の削減に至るまでその影響は多岐にわたります。

本記事で解説したようにシャッターには機能、素材、開閉方式など様々な種類がありそれぞれに特性と適した用途が存在します。 自社の事業内容や施設の環境、法的な要件を正確に把握し長期的な視点でメンテナンスコストまで含めたトータルコストを比較検討することが最適な一基を選ぶための鍵となります。 最終的には専門家と十分に協議し自社にとって最良の選択を行うことが求められます。

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SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
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