工場・倉庫にはエレベーターが必要?簡易リフトとの違いは?違法になるケースとは?

最終更新日:
工場・倉庫にはエレベーターが必要?簡易リフトとの違いは?違法になるケースとは?
工場や倉庫の多層階での業務において、荷物の昇降作業は効率と安全性の両面で重要な課題です。 この課題を解決する手段としてエレベーターやリフトといった昇降機の導入が挙げられますが、その種類は多岐にわたります。 どの昇降機が自社の業務に適しているのか、また関連する法律や費用はどの程度なのか、導入担当者にとって判断は容易ではありません。
この記事では、それぞれの昇降機の特徴や法的な違い、選び方のポイントを解説します。
工場・倉庫にはエレベーターが必要?簡易リフトとの違いは?違法になるケースとは?

多層階の工場や倉庫では、人力による荷物の運搬は非効率なだけでなく、転倒や落下といった労働災害のリスクも伴います。 昇降機の導入は、作業効率の向上と作業者の負担軽減、そして安全確保のために不可欠な投資と言えます。
しかし、「エレベーター」と「簡易リフト」は似ているようで、準拠する法律や用途が全く異なります。 この違いを正しく理解せずに導入・運用すると、意図せず違法状態となり、重大な事故を引き起こす可能性があるため、慎重な検討が求められます。
倉庫・工場で使われる昇降機の種類

工場や倉庫で利用される昇降機には、運ぶ荷物の種類や重量、そして人が搭乗するかどうかによって、いくつかの種類に大別されます。 代表的なものに、人と荷物の両方を運べる「人荷用エレベーター」、荷物専用の「簡易リフト」、そして小さな荷物を運ぶための「小荷物専用昇降機」があります。
それぞれ建築基準法や労働安全衛生法といった異なる法律の規制を受けるため、特徴や守るべきルールが異なります。 自社の運用方法を明確にし、目的に合った種類を選ぶ必要があります。
人荷用(荷物用)エレベーター
人荷用エレベーターは、建築基準法で定められた「昇降機」に該当し、作業者と荷物の両方を乗せて昇降することが可能です。 人が搭乗するため、扉のインターロックや戸開走行保護装置など、厳格な安全基準を満たす多様な安全装置の設置が義務付けられています。
作業者が荷物と一緒に移動できるため、荷物の積み下ろしや管理がスムーズに行え、作業効率を大幅に向上させることが可能です。 設置にあたっては建築確認申請が必要であり、完成後も年に一度の法定検査が義務付けられています。 高い安全性を確保しながら、人と荷物の垂直移動を効率化したい場合に最適な選択肢です。
簡易リフト
簡易リフトは、労働安全衛生法が適用される荷物専用の昇降設備で、人が搭乗することは法律で固く禁じられています。 人が誤って乗れないように、かごの床面積が1平方メートル以下、または天井の高さが1.2メートル以下と定められています。 建築基準法上の「昇降機」ではないため建築確認申請は不要ですが、所轄の労働基準監督署長への設置届が必要です。
エレベーターに比べて導入コストを抑えられるメリットがありますが、あくまで荷物専用という点を厳守しなければなりません。 年に一度の定期自主検査の実施も事業者に義務付けられており、適切な保守管理が求められます。
小荷物専用昇降機(ダムウェーター)
小荷物専用昇降機は、通称「ダムウェーター」とも呼ばれ、建築基準法で規定される昇降機の一種です。 その名の通り、比較的小さな荷物の運搬に特化しており、かごの床面積が1平方メートル以下かつ天井の高さが1.2メートル以下と定められています。 この規定により、人がかご内に入れない構造になっています。
主に工場での部品や製品の階層間移動、倉庫でのピッキング作業の補助などに利用され、作業動線の効率化に貢献します。 簡易リフトとは異なり、建築確認申請が必要で、年に一度の定期検査報告も義務付けられています。 細かい荷物を頻繁に上下階へ移動させる業務に適しています。
工場・倉庫で活躍するエレベーターの特徴

工場や倉庫における人荷用エレベーターの最大の特徴は、建築基準法に準拠した極めて高い安全性にあります。 人が搭乗することを前提に設計されているため、万が一の事態を防ぐための安全装置が多数搭載されており、作業者の安全を確保します。 また、作業者が荷物と一緒に昇降できるため、到着階での荷下ろしや移動を一人で完結でき、作業工程の削減と時間短縮に直結します。
これにより、人員配置の最適化や生産性の向上が期待できます。 重量物やパレットに積まれた荷物も一度に運べる積載能力と、法的な検査義務による信頼性の高さも、安定した事業運営において大きな利点です。
倉庫・工場用リフトの選び方

自社の倉庫や工場に最適な昇降機を選ぶためには、まずその利用目的を明確にすることが重要です。 数ある選択肢の中から、法規制に適合し、かつ業務効率を最大化する一台を選び出すには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
特に重要なのが「人が搭乗する必要があるか」という点と、「主として運ぶ荷物の種類・大きさ・重さ」です。 これらの基本的な条件を事前に整理することで、候補となる昇降機の種類を絞り込み、より具体的な検討に進むことができます。
ポイント1:人が搭乗するか
昇降機選定における最も根本的な判断基準は、作業者が搭乗するかどうかです。 荷物の搬入出時に作業者が付き添う必要がある、あるいは荷物を押さえながら運搬する必要があるといったケースでは、人と荷物を安全に運べる建築基準法準拠の「人荷用エレベーター」が唯一の選択肢となります。
一方で、荷物のみを上下階に移動できれば業務が成り立つ場合は、導入コストを抑えられる荷物専用の「簡易リフト」や「小荷物専用昇降機」を検討できます。 荷物専用機に人が乗ることは、法律で厳しく禁止されている重大な違反行為であり、墜落などの大事故に繋がるため、この区別は絶対に守らなければなりません。
ポイント2:運ぶ荷物の種類・大きさ・重さ
日常的に運搬する荷物の特性を正確に把握することは、適切な昇降機を選ぶ上で不可欠です。 まず、最も重い荷物を基準に、積載荷重に余裕のある機種を選定します。 次に、荷物の最大寸法(幅・奥行き・高さ)を測定し、かごの内寸がそれに対応できるかを確認します。
パレットごとの搬送を想定している場合は、フォークリフトでの積み下ろし作業がスムーズに行えるか、かごのサイズや扉の開口幅も重要です。 荷物の特性を見誤って機種を選定すると、導入後に「荷物が載らない」「能力が足りない」といった事態に陥り、かえって作業効率を低下させる原因となるため、事前の調査が肝心です。
倉庫・工場にリフトを設置する際の費用相場

倉庫や工場へ昇降機を導入する際、費用は重要な検討項目です。 コストは、導入時に一度だけかかる「本体価格・工事費用」と、設置後に継続的に必要となる「法定検査・メンテナンスなどの維持費」に大別されます。
これらの費用は、選択する昇降機の種類(エレベーターか簡易リフトか)、積載量、停止する階数、建物の構造といった様々な要因によって大きく変動します。 初期費用だけでなく、長期的な運用を見据えたトータルコストを把握し、予算計画を立てることが求められます。
本体価格・工事費用
昇降機の導入にかかる初期費用はその種類によって大きく異なります。 荷物専用の簡易リフトの場合、本体と設置工事費を合わせて数百万円からが一般的です。 一方、建築基準法に準拠する人荷用エレベーターは、厳格な安全基準を満たす必要があるため構造が複雑になり本体価格も高価です。 建物の躯体工事なども伴うため、総額で1000万円を超えるケースも少なくありません。
小荷物専用昇降機は、仕様にもよりますが簡易リフトと同程度の価格帯が目安です。 ただし、これらはあくまで一般的な相場であり、設置環境や追加仕様によって価格は変動するため、複数の専門業者から詳細な見積もりを取得して比較検討することが不可欠です。
法定検査・メンテナンスなどの維持費
昇降機は、導入後の安全な運用を維持するために、法律で定められた検査と定期的なメンテナンスが義務付けられています。 人荷用エレベーターの場合、建築基準法に基づき、年に1回の法定検査とその報告が必要です。 これに加えて、専門業者との保守契約を結ぶのが一般的で、契約内容に応じた月額費用が発生します。
簡易リフトは、労働安全衛生法により、事業者が年に1回の定期自主検査を行う義務があります。 これらの維持費は長期にわたって発生するため、導入時の初期費用と合わせてランニングコストを正確に算出し、トータルコストで機種選定の判断を行う必要があります。
エレベーターのサイズを考えるときに確認すべき法律

昇降機のサイズは、利用者の利便性だけでなく、安全性を確保するための法律によって厳しく規定されています。 特に、荷物専用の昇降機が「簡易リフト」として認められるか、「エレベーター」として扱われるかの境界線は、そのサイズによって明確に定められています。
労働安全衛生法のクレーン等安全規則では、簡易リフトは荷物を載せるかごの床面積が1平方メートル以下、または天井の高さが1.2メートル以下であるものと定義されています。 この規定は、人が中に乗り込めないようにするための措置です。 このサイズを超える荷物用昇降機を設置する場合は、建築基準法が適用される「エレベーター」として、建築確認申請などの手続きを踏まなければなりません。
エレベーターが違法になるのはどんなケース?

昇降機の運用において法律に違反する行為は、罰則の対象となるだけでなく、墜落・挟まれといった重大な労働災害を招く極めて危険な状態を生み出します。 最も典型的で危険な違反ケースが、荷物専用である簡易リフトに作業者が搭乗することです。
また、簡易リフトの法的定義(床面積1㎡以下または天井高1.2m以下)を超える昇降機を、エレベーターとしての建築確認申請を経ずに設置することも違法となります。 さらに、設置後も法律で定められた定期検査(エレベーター)や定期自主検査(簡易リフト)を怠ることは、安全性の確認を怠る行為として法令違反にあたります。 安全装置を無効化するなどの不正な改造も、同様に許されません。
信頼できる業者にしっかり相談することが大事

工場や倉庫への昇降機導入は、関連法規の理解や専門的な知識が不可欠であり、自社のみで判断するのは困難です。 安全かつ効率的な運用を実現するためには、信頼できる専門業者に相談することが極めて重要です。 業者を選ぶ際は、昇降機の設置実績が豊富であるか、建築基準法や労働安全衛生法といった関連法規に精通しているかを確認します。
また、設置後のメンテナンスや法定検査にも対応できる、充実したサポート体制を持つ業者であることも大切なポイントです。 複数の業者から提案や見積もりを取り、価格だけでなく、提案内容の的確さやサポート体制を総合的に比較検討することで、自社のニーズに最も合致したパートナーを見つけることができます。
まとめ
工場や倉庫における荷役作業の効率化と安全性の向上において、昇降機の導入は非常に有効な手段です。 昇降機には「人荷用エレベーター」「簡易リフト」「小荷物専用昇降機」といった種類があり、それぞれ準拠する法律、用途、コストが異なります。 選定の最大のポイントは「人が搭乗するか否か」であり、この点を基軸に、運搬する荷物の特性を考慮して機種を絞り込む必要があります。
簡易リフトへの搭乗は法律で固く禁じられており、違反は重大事故に直結します。 導入の際は、初期費用だけでなく維持費を含めたトータルコストを算出し、法規制に精通した信頼できる専門業者に相談の上、自社に最適な一台を慎重に選定することが求められます。
工場・倉庫の暑さ対策に『クールサーム®』
屋根に塗るだけで空調代を削減!※1
可視光線、近赤外線のほとんどを反射し、また一部吸収した太陽エネルギーを遠赤外線として放散、さらに遮断層を作り熱伝導を防ぐ、といった特性を持つNASAが開発した特殊なセラミックで屋根や壁面を塗装。劣化の原因となる紫外線もカットして、断熱効果は長期間(10年以上※2)持続可能。コスパの高い断熱素材です。
※1 理想科学工業㈱霞ヶ浦工場の実例を元に、イメージ表示し得られたデータを元に室内空間の温度上昇を抑制することから、空調設備の温度を上げることで電気代等の削減が期待できます。
※2 クールサーム®の実証実験にて10年以上の耐久性を確認しています。詳しくは弊社スタッフまでお問い合わせください
SAWAMURAについて
1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。
- 2020年
- 関西ブロック優秀ビルダー賞1位
- 2019年
- 関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞 - 2018年
- 関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞 - 2017年
- アクティブビルダー銅賞受賞
- 2016年
- アクティブビルダー銅賞受賞
- 2015年
- アクティブビルダー 銅賞受賞
- 2012年
- 連続販売年数15年達成
- 2013年
- 15年連続受注賞
- 2008年
- 10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
- 2004年
- 優秀ビルディング
資格所有者
-
一級建築士 13人
二級建築士 41人
一級建築施工管理技士 29人
一級土木施工管理技士 10人 -
宅地建物取引士 19人
設備設計一級建築士 1人
土地家屋調査士 1人
一級建設業経理士 2人
中小企業診断士 1人
会社概要
| 社名 | 株式会社澤村 |
|---|---|
| 本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
人気記事
工場・倉庫建築について
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
- これから計画を始める方
- おおよその予算やスケジュールが知りたい方
- 敷地調査や提案を希望される方




