工場・倉庫に庇(ひさし)は必要?DIYでの取り付けが危険な理由

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社員はもちろん社外の人も出入りする可能性がある工場や倉庫は、少しでも快適にしたいものですよね。
そのため工場や倉庫に「庇(ひさし)」を取り入れる企業は多いものです。
あらためて庇の重要性や種類といった基本情報を確認し、実際に取り付ける際の注意点を覚えておきましょう。
庇(ひさし)とは?
「庇」とは、さまざまな建物の玄関やベランダなど、直射日光があたる部分に設置される屋根のような設備のことです。
小さな屋根のような部分のことを指し、出入りするための扉はもちろんのこと窓の外側にも設置されます。
そう聞くと「軒」と似たように感じるかもしれませんが、軒のほうが比較的大きなものを指す傾向にあります。
庇は昔ながらの日本家屋に必ずといっていいほど設置されている設備です。
非常に便利であることから、一般家庭の住宅だけでなく工場や倉庫にも導入する人が多く、快適な空間づくりに一役かっています。
工場や倉庫を新築する際、また、より使いやすく改良する際には庇に注目してみましょう。
工場や倉庫に庇をつける必要はある?
庇を設置するメリットはなんといっても、紫外線除けと雨除けを同時に叶えられることでしょう。
特に雨の影響は、企業にとっておそろしいものです。
工場や倉庫に雨が入り込んでしまった場合、大切な機器や商品が濡れて壊れてしまう可能性があります。
特に濡れたのが商品となれば、出荷できず不良在庫を抱えることとなります。
しかし庇があれば、多少の雨であれば窓やドアを開けたままでも影響がありません。
新型コロナウイルス対策として換気が義務付けられている企業にとっては、なくてはならない設備とも言えるのではないでしょうか。
サッシ等に雨が入り込むと、サビやカビ、腐食といったトラブルも起きてしまいますが、庇があればうまく防げるでしょう。
さらに日差しも防いでくれるため、機器や商品が直射日光によって劣化するトラブルも起きにくくなります。
また、暑い時期には従業員の熱中症にも注意しなければいけません。
直射日光は工場や倉庫内の気温を一気に高くしてしまうため、とりわけ注意が必要です。
空調設備はもちろんのこと、庇も使って対策することで、環境のスムーズな改善ができるでしょう。
庇にはどんな種類がある?
工場や倉庫に設置できる庇には、大きく分けると「陸庇(ろくひさし)」と「腕木庇(うできひさし)」と呼ばれるふたつのパターンがあります。
陸庇は特に一般的な庇であり、多くの人が庇と聞いて思い浮かべるものがこちらです。
「陸」とは、建築業界では水平という意味があり、庇の場合もその名の通り平らなシルエットが特徴で勾配もあまりきつくありません。
設置についても比較的スムーズにでき、釘やビス留めによって固定するだけで簡単に取り付けられます。
それに対して腕木庇は、古くからある日本家屋などに使われている伝統的な庇です。
日本の伝統工法としても知られ、腕木があるため横から見ると三角形のような特徴的なシルエットをしています。
張り出しを大きくでき、金属板や瓦によって仕上げられるものも少なくありません。
庇の素材は、どちらもさまざまなものを利用できます。
多くの工場や倉庫で使われているのがアルミで、なによりも軽さが特徴です。
設置しやすく、耐久性も高いので非常に便利です。
ただしサビには弱いため、年月が経過したら取り換える必要があります。
続いて、カーポート屋根などに使われているポリカも、庇に使える素材です。
アルミと同様に軽く、設置しやすいのが魅力です。
工場や倉庫に庇を取り付ける際の注意点
庇は、すでに完成している工場や倉庫にも簡単に設置できます。
そこで「ビス留めなら自分でもできる」、「時間がないから自分でやってしまいたい」と考えてしまう人もいるでしょう。
しかし、庇のDIYでの取り付けはおすすめできません。
庇は、設置の際に位置や平行か否かなど細かな部分にも神経を張り巡らせて丁寧に取り付けなければいけません。
ぱっと見て「簡単そうだ」と思ったとしても、実際は非常に繊細なのです。
一見「ちゃんと取り付けられた」と思える状態でも、どこかに不安定な部分があり設置できていないと雨漏りを招く原因になりかねません。
壁へのビス留めは一見簡単そうに見えますが、コーキングを行わないとかえって雨漏りが起きやすくなってしまうのです。
雨を避ける役割を果たす庇なのに、それ自身が雨漏りの原因になるのは悲しいですよね。
さらに、ビス留めが不十分だったときには庇そのものが落下してしまう危険もあります。
人の頭上に落ちてしまったときには、大きな事故にも発展しかねません。
安全のためにもDIYでの取り付けは必ず避けて、信頼できる業者に依頼しましょう。
まとめ
庇というと伝統工法のイメージもあり、「古くからある住宅についているもの」とイメージするかもしれません。
しかし工場や倉庫にも庇を設置することによって、強い日差しや雨の侵入を効果的に防ぐ役割を果たしてくれます。
素材によってはDIYでもつけられるのではと考えてしまうかもしれませんが、危険をはらむため必ず信頼できる業者へ依頼して取り付けてください。
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