工場倉庫のネズミ対策と豆知識

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工場や倉庫におけるネズミの発生は、保管している製品や建物自体に損害を与えるだけでなく、企業の衛生管理体制や信頼性にも関わる深刻な問題です。 一匹のネズミがもたらす被害は甚大で、放置すれば繁殖して手に負えない状況になりかねません。
この記事では、建築と施工管理の専門的な視点から、ネズミ被害の実態、侵入のサイン、具体的な対策方法、そして専門業者を選ぶ際のポイントまで、体系的に解説します。
工場倉庫のネズミ対策と豆知識
工場や倉庫におけるネズミの発生は、保管している製品や建物自体に損害を与えるだけでなく、企業の衛生管理体制や信頼性にも関わる深刻な問題です。 一匹のネズミがもたらす被害は甚大で、放置すれば繁殖して手に負えない状況になりかねません。
この記事では、建築と施工管理の専門的な視点から、ネズミ被害の実態、侵入のサイン、具体的な対策方法、そして専門業者を選ぶ際のポイントまで、体系的に解説します。
放置は危険!倉庫のネズミが引き起こす被害とは
倉庫内でネズミを放置すると、多岐にわたる被害が発生します。 最も直接的なのは、製品や商品への食害です。 特に食品や紙製品、段ボールなどは格好の標的となり、商品価値を著しく損ないます。
また、建物の設備にも深刻な影響を及ぼし、壁の中の断熱材を巣の材料にしたり、電気ケーブルや通信ケーブルをかじったりすることで、漏電による火災や設備の機能停止といった重大な事故を引き起こすリスクがあります。 さらに、ネズミの糞尿はサルモネラ菌などの病原菌を媒介し、倉庫内を汚染するため、衛生環境が悪化して従業員の健康被害や食中毒の原因となることも考えられます。 これらの被害は企業の経済的損失だけでなく、顧客からの信頼失墜にも直結します。
工場倉庫にネズミがいる?
工場や倉庫でネズミの姿を直接目撃することは稀かもしれません。 なぜなら、ネズミは夜行性で警戒心が強く、人の気配がある日中は物陰に隠れていることが多いためです。 しかし、姿が見えないからといって、ネズミがいないとは限りません。
天井裏から聞こえる「カリカリ」という物音や、走り回るような音は、ネズミが活動しているサインです。 また、保管している商品や荷物、建物の柱などに何かがかじったような跡が見つかることもあります。 特に、倉庫の隅や棚の裏など、普段あまり目が届かない場所に糞が落ちていないかを確認することが重要です。 これらの間接的な証拠は「ラットサイン」と呼ばれ、ネズミの存在を示す重要な手がかりとなります。
ラットサインがある場合は要注意
ラットサインは、ネズミの存在を知らせる痕跡の総称であり、これらを見つけた場合は迅速な対策が必要です。 代表的なものに「糞」があり、種類によって形状が異なります。 クマネズミの糞は細長く散らばっているのに対し、ドブネズミの糞は太くまとまっている傾向があります。 次に「かじり跡」も重要なサインで、柱や壁、配線などに残された2本の歯形が特徴です。
また、ネズミが頻繁に通る壁際や隅には、体の油や汚れが付着して黒光りする「ラットサイン(黒いこすり跡)」ができます。 これはネズミの通り道を示しているため、駆除対策を講じる上で非常に重要な情報源となります。 ほこりの積もった場所にあれば、小さな足跡が見つかることもあります。 これらのサインは、ネズミの生息を裏付ける確かな証拠です。
ネズミの侵入経路を徹底的に塞ぐ
ネズミ対策の基本は、外部からの侵入を許さないことです。 ネズミは非常に体が柔らかく、成獣でも1.5cm程度のわずかな隙間があれば容易に侵入してきます。 工場や倉庫では、壁のひび割れ、配管や電気配線が壁を貫通する部分の隙間、換気扇やシャッターの隙間、建物の基礎部分の破損箇所などが主な侵入経路となります。
これらの隙間を発見したら、かじって壊されない素材で確実に塞ぐ必要があります。 具体的には、目の細かい金網や防鼠パテ、金属板などを用いるのが効果的です。 特に、配管周りのような複雑な形状の隙間には、パテが有効です。 建物の構造を理解し、ネズミが通り道にしそうな場所を予測しながら、徹底的に封鎖作業を行うことが再発防止の鍵を握ります。
エサになるものを置かない
ネズミを倉庫内に定着させないためには、エサとなるものを徹底的に管理することが不可欠です。 ネズミは雑食性で、穀物や食品はもちろんのこと、ペットフード、石鹸、さらには段ボールの接着剤まで、あらゆるものをエサにします。 したがって、食品や原料を扱う倉庫では、製品を密閉性の高い容器に入れる、床に直接置かずにパレットに乗せるなどの対策が求められます。
また、床にこぼれた食品カスやゴミは、ネズミにとって貴重な食料源となるため、日々の清掃を徹底し、常に清潔な状態を保つことが重要です。 従業員の休憩スペースの食べ残しやゴミの管理も忘れてはなりません。 エサがなければネズミは長時間その場にとどまることができず、定着を防ぐ効果が期待できます。
ネズミの住処を与えない
ネズミの繁殖を防ぐには、巣作りの場所を与えない環境整備が極めて重要です。 ネズミは、身を隠せて暖かく、巣の材料が手に入りやすい場所を好んで住処にします。 倉庫内では、壁際に無造作に積まれた資材や長期間動かさない荷物の裏、壁の断熱材などが巣作りポイントとなります。 巣の材料には、ビニールや紙くず、布切れ、段ボールなどが使われます。 対策としては、不要な資材や段ボールは速やかに処分し、倉庫内を定期的に整理整頓することが基本です。
いわゆる「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」の徹底は、ネズミが隠れ場所を見つけにくくする効果があります。 壁際や棚の下など、死角になりやすい場所を減らし、風通しの良い環境を維持することで、ネズミが安心して巣を作れる場所を奪います。
ネズミの退治法・駆除方法とは?
侵入経路の封鎖や環境整備といった予防策と並行して、すでに倉庫内に侵入してしまったネズミを駆除する対策も必要です。 駆除方法には、物理的に捕獲する方法や、薬剤を使用する方法、ネズミが嫌がるものを利用して追い出す方法など、複数の選択肢があります。
どの方法が最適かは、発生しているネズミの種類や数、建物の構造、そして取り扱っている製品の種類によって異なります。 それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、状況を的確に判断し、複数の対策を組み合わせて実施することが、効果的な駆除につながります。
まずはネズミの種類を特定する
効果的な駆除を行うための第一歩は、相手であるネズミの種類を特定することです。 日本国内の建物で問題となるネズミは、主にドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類です。 ドブネズミは体が大きく湿った場所を好み、床下や排水溝周辺に生息します。 クマネズミは警戒心が強く、垂直移動が得意なため、天井裏や壁の中など高い場所を拠点にします。
近年では薬剤に耐性を持つ「スーパーラット」も多くがこの種です。 ハツカネズミは最も体が小さく、好奇心旺盛で物資の隙間など狭い場所を好みます。 糞の形や大きさ、ラットサインが見られる場所から種類を推測し、その生態や習性に合わせた罠や殺鼠剤を選ぶことが、駆除の成功率を高める上で非常に重要になります。
粘着シートや捕獲器を使用する
物理的な駆除方法として最も一般的なのが、粘着シートや捕獲器の設置です。 粘着シートは、強力な粘着剤が塗布されたシートで、ネズミが上を通過すると動けなくなる仕組みです。 設置が手軽で、ネズミの通り道となる壁際や隅、ラットサインが見られる場所に隙間なく敷き詰めるのが効果的です。
ただし、警戒心の強いクマネズミや、体の大きなドブネズミには効果が薄い場合もあります。 一方、捕獲器はカゴ状の罠で、内部にエサを仕掛けてネズミをおびき寄せ、生きたまま捕獲します。 繰り返し使用できる利点がありますが、捕獲後のネズミの処分方法をあらかじめ考えておく必要があります。 どちらの方法も、ラットサインをよく観察し、適切な場所に設置することが成功の鍵です。
毒エサ(殺鼠剤)を設置する
殺鼠剤、いわゆる毒エサは、多数のネズミを駆除する場合に有効な手段です。 殺鼠剤には、一度食べれば数時間で効果が現れる急性毒タイプと、数日間食べ続けることで内出血などを起こさせる蓄積毒タイプがあります。
警戒心の強いクマネズミなどには、すぐに効果が出ない蓄積毒の方が、他の仲間に警戒されにくく効果的です。 特に近年問題となっている薬剤耐性を持つスーパーラットには、専用の強力な殺鼠剤を使用する必要があります。 設置場所は、ネズミの巣の近くや通り道など、安心して食べられる場所を選びます。 ただし、従業員や他の動物が誤って口にすることがないよう、専用の容器(ベイトボックス)に入れて設置するなど、安全管理には最大限の配慮が求められます。
忌避剤や超音波で追い出す
ネズミを殺さずに追い払う方法として、忌避剤や超音波発生器があります。 忌避剤は、ネズミが嫌がるハッカやトウガラシなどの成分を利用したもので、スプレータイプや燻煙タイプ、固形タイプなどがあります。 ネズミの通り道や巣になりそうな場所に設置することで、近寄らせない効果を狙いますが、効果が永続的ではないため、定期的な交換や再散布が必要です。
超音波発生器は、人間には聞こえないがネズミには不快な高周波の音を発生させて追い払う装置です。 しかし、ネズミが音に慣れてしまったり、物陰には超音波が届かず効果が限定的だったりするケースもあります。 これらの方法は、侵入初期や他の駆除方法の補助的な対策として活用するのが現実的です。
自分での対策が難しい場合は専門業者への依頼も検討
ネズミ被害が広範囲に及んでいる場合や、殺鼠剤が効かないスーパーラットが発生しているなど、自力での対策に限界を感じた際は、専門の駆除業者への依頼が賢明な選択です。 専門業者は、ネズミの生態や建物の構造に関する深い知識と経験を持ち、被害状況を正確に診断した上で、最も効果的な施工計画を提案します。
侵入経路の特定と封鎖から、薬剤の適切な使用、再発防止策まで、総合的な対策を任せることが可能です。 初期費用はかかりますが、結果的に被害の拡大を防ぎ、トータルコストを抑えることにもつながります。
信頼できる駆除業者の選び方
ネズミ駆除業者を選ぶ際は、いくつかのポイントを確認することが重要です。 まず、必ず現地調査を行った上で、作業内容や使用する薬剤、費用などを明記した詳細な見積書を提出してくれる業者を選びましょう。 複数の業者から相見積もりを取り、内容を比較検討するのが基本です。 また、工場や倉庫といった類似施設での駆除実績が豊富かどうかも確認します。
施工後の再発に対する保証制度の有無やその内容も、信頼性を判断する上で大切な要素です。 単にネズミを駆除するだけでなく、なぜネズミが発生したのかという根本原因を突き止め、侵入経路の封鎖といった再発防止策までしっかりと提案してくれる、専門的な知見を持った業者に依頼することが望ましいです。
まとめ
工場や倉庫におけるネズミ対策は、被害が発生する前の「予防」と、発生してしまった後の「駆除」を両立させて進める必要があります。 予防の基本は、ネズミの侵入経路を物理的に塞ぐこと、エサとなるものを徹底管理すること、そして巣を作らせないよう常に整理整頓された環境を維持することです。
もしネズミの侵入が確認された場合は、その種類や状況に応じて、粘着シートや捕獲器、殺鼠剤といった駆除方法を適切に使い分けることが求められます。 自力での完全な駆除が難しい、あるいは被害が拡大している状況では、被害が深刻化する前に、信頼できる専門業者へ相談することが、結果的に時間と費用の両面で有効な解決策となります。
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資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
創業 | 昭和25年12月6日 |
資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
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売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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