工場・倉庫のヒヤリハットとは?【原因・対策・報告も解説】

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工場や倉庫の現場では、日々の作業の中に潜む危険に気づき、事故を未然に防ぐことが非常に重要です。本記事では、工場や倉庫で起こりうるヒヤリハットについて、その定義から具体的な事例、発生する原因、そして効果的な対策や報告の方法までを詳しく解説します。現場の安全意識向上と労働災害の防止に役立つ情報を提供し、安全な職場環境の実現に貢献することを目的としています。

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この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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ヒヤリハットの基本的な理解

工場や倉庫における安全管理において、ヒヤリハットを理解することは非常に重要です。ここでは、ヒヤリハットの定義と、労働災害との関連性を示すハインリッヒの法則について説明します。

ヒヤリハットの定義について

ヒヤリハットとは、厚生労働省によって「危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象」と定義されています。これは、作業中に「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりするような、事故につながる可能性があったものの、結果として事故には至らなかった出来事を指すのです。ヒヤリハットは、重大な事故や災害の一歩手前の出来事であり、これらの小さな危険の芽を見つけ出し、適切に対処することが事故防止には不可欠とされています。

ハインリッヒの法則とは

ハインリッヒの法則とは、1920年代にアメリカの損害保険会社のハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱した労働災害に関する経験則です。この法則は「1:29:300の法則」とも呼ばれ、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件の事故寸前の出来事、つまりヒヤリハットが存在するというものです。この法則は、重大な事故を未然に防ぐためには、事故には至らなかったヒヤリハットの段階で原因を把握し、対策を講じることの重要性を示唆しています。

工場・倉庫でのヒヤリハット事例

工場や倉庫では様々なヒヤリハットが発生しています。これらの事例を知ることは、現場に潜む危険を具体的にイメージし、事故予防につなげるために役立ちます。ここでは、製造現場、倉庫作業、建設現場、その他の現場で起こりうるヒヤリハットの事例集をご紹介します。

製造現場でのヒヤリハット

製造現場では、様々な機械設備を使用するため、それに伴う危険が多く存在します。作業中の不注意や設備の不具合などが原因で、ヒヤリハットが発生しやすい環境と言えます。

作業中の事例

製造現場での作業中には、様々なヒヤリハットが発生する可能性があります。例えば、機械の操作中に誤って機械に手が挟まれそうになったり、衣服が回転部分に巻き込まれそうになったりすることがあります。また、手作業での運搬中に荷物を落としそうになったり、台車で移動中に他の作業員と衝突しそうになったりする事例も報告されています。清掃作業中に機械が不意に動き出し、危険な状況になったケースや、化学薬品の取り扱い中に誤った操作で有害物質を浴びそうになった事例なども挙げられます。厚生労働省のウェブサイト「職場のあんぜんサイト」には、製造業における作業中のヒヤリハット事例が多く掲載されており、具体的な状況や原因、対策について詳細を確認することができます。

設備に関する事例

製造現場における設備に関連するヒヤリハットは多岐にわたります。例えば、製造ライン上の機械設備の予期せぬ動作や停止により、作業員が危険な目に遭いそうになる事例があります。機械のメンテナンス中に安全装置をかけ忘れたまま作業を行い、機械が誤って起動しそうになったケースや、設備のカバーや囲いが不十分で、稼働中の機械部分に接触しそうになった事例も報告されています。また、クレーン作業中に吊り荷が不安定になり落下しそうになったり、フォークリフトのブレーキが効きにくく衝突しそうになったりといった事例も設備の不具合や点検不足に関連するヒヤリハットと言えるでしょう。これらの事例は、設備の適切な管理と点検、そして安全装置の確実な使用がいかに重要であるかを示しています。

倉庫作業でのヒヤリハット

倉庫作業は、荷物の搬入出や移動、高所での作業など、様々な危険が伴います。フォークリフトの使用や手作業での運搬など、日常的な作業の中にヒヤリハットが潜んでいます。 倉庫作業におけるヒヤリハットは多岐にわたりますが、特に頻繁に発生するのはフォークリフトに関連する事例です。例えば、フォークリフトで荷物を運搬中に他の作業員と衝突しそうになったり、通路の角で他のフォークリフトと鉢合わせになりそうになったりするケースが挙げられます。また、フォークリフトで高い棚に荷物を上げ下ろしする際に、荷崩れを起こしそうになったり、棚に接触しそうになったりする事例も報告されています。手荷役作業では、高所から商品が落下してきて当たりそうになったり、重い荷物を持ち上げようとしてバランスを崩し転倒しそうになったりすることがあります。ピッキング作業中に脚立から転落しそうになったり、台車を押しながら移動中に他の作業員や障害物にぶつかりそうになったりする事例も見られます。検品や梱包作業では、カッターナイフで指を切りそうになったり、床に落ちている緩衝材で滑りそうになったりすることもあります。これらの作業中のヒヤリハットは、作業手順の不徹底や不安全な行動、整理整頓の不備などが原因で発生することが多いです。倉庫業における労働災害は増加傾向にあり、ヒヤリハットの段階で対策を講じることが重要とされています。

建設現場のヒヤリハット

建設現場は高所作業や重機を使用する機会が多く、特に危険度の高い現場と言えます。様々な要因によるヒヤリハットが発生しており、注意が必要です。 建設現場では、高所作業が多いため、墜落や転落に関するヒヤリハットが多く報告されています。例えば、足場の上でつまずき転倒しそうになったものの、手すりなどを掴んで転落を免れた事例や、開口部付近での作業中にバランスを崩しそうになったケースがあります。クレーン作業中に吊り荷が振れて作業員に接触しそうになったり、重機が不安定な場所を走行中に転倒しそうになったりする事例も挙げられます。また、建設資材の運搬中に荷崩れを起こしそうになったり、整理整頓されていない通路でつまずきそうになったりすることも少なくありません。電動工具の使用中に誤って自分の手や他の作業員に刃を向けそうになったり、高所で工具を落下させそうになったりする事例も報告されています。建設現場のヒヤリハット事例集は、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」などで公開されており、具体的な状況や原因、対策を確認できます。

その他のヒヤリハット事例

工場や倉庫、建設現場以外の様々な職場でもヒヤリハットは発生しています。それぞれの業種特有の環境や作業内容によって、危険の内容も異なります。 食品工場においては、製造機械への巻き込まれや、濡れた床での転倒などがヒヤリハットの事例として挙げられます。特に食品加工用の機械では、清掃やメンテナンス中に誤って機械が作動しそうになったり、稼働中の機械に衣服や体が接触しそうになったりする危険があります。また、食品工場では水や油を使用する場所が多く、床が滑りやすくなっているために転倒しそうになるヒヤリハットも頻繁に発生しています。高所での清掃作業中にバランスを崩しそうになったり、化学物質を取り扱う際に誤った手順で薬品を混合しそうになったりする事例も報告されています。これらの事例は、食品工場特有の衛生管理や作業環境がヒヤリハットの原因となりうることを示しています。他の業種でも、それぞれの作業環境や業務内容に応じた様々なヒヤリハット事例集が存在し、事故防止のために活用されています。

ヒヤリハットが発生する原因

ヒヤリハットは様々な要因が複合的に絡み合って発生することが多いです。主な原因は、作業を行う人自身に関わる「人的要因」、作業場所や使用する設備に関わる「環境や設備によるもの」、そして職場の管理体制に関わる「管理体制によるもの」に分けられます。これらの原因を理解することで、より効果的な対策を講じることが可能になります。

人的要因によるもの

ヒヤリハットの発生原因として最も多いとされるのが、作業を行う人自身の要因です。これには、作業者の不注意や確認不足、慣れによる油断、焦りや疲労などが含まれます。 人的要因によるヒヤリハットは、作業者の状態や行動に起因します。例えば、単調な作業の繰り返しや長時間労働による疲労の蓄積は、注意力の低下を招き、ヒヤリハットの原因となり得ます。納期に追われているなどの時間的なプレッシャーや、慣れた作業に対する過信や油断も、安全確認を怠るなど不安全な行動につながり、ヒヤリハットを引き起こすことがあります。新入社員や経験の浅い作業者においては、作業手順や危険箇所の知識・スキル不足が原因でヒヤリハットが発生しやすい傾向が見られます。また、作業間のコミュニケーション不足や、危険な状況に対する認識の甘さも、ヒヤリハットの一因となります。これらの人的要因によるヒヤリハットを防ぐためには、作業者の意識向上や適切な教育・訓練が不可欠です。

環境や設備によるもの

ヒヤリハットは、作業が行われる環境や使用される設備に起因して発生することもあります。これには、整理整頓の不徹底やunsafeな通路、設備の不具合や点検不足などが含まれます。 環境や設備によるヒヤリハットは、作業空間の状態や使用する機器の状況に深く関連しています。例えば、通路に荷物や障害物が放置されているなど整理整頓が不十分な作業環境は、つまずきや衝突の原因となり、ヒヤリハットが発生しやすくなります。床が濡れていたり、段差があったりすることも転倒のリスクを高めます。設備の不具合やメンテナンス不足もヒヤリハットの主要な原因の一つです。機械の安全装置が正常に機能しない、緊急停止ボタンが分かりにくい、照明が暗いなども危険な状況を生み出す可能性があります。また、作業内容に対して設備能力が不足している場合や、老朽化した設備を使用し続けている場合も、事故のリスクが高まります。これらの環境や設備に起因するヒヤリハットを防ぐためには、定期的な点検と整備、作業環境の見直しと改善が必要です。

管理体制によるもの

職場の管理体制の不備も、ヒヤリハットが発生する大きな原因となり得ます。これには、安全に関するルールやマニュアルの不備、教育・訓練の不足、情報共有の不足などが含まれます。 管理体制に起因するヒヤリハットは、組織全体の安全文化や仕組みに根ざしています。例えば、安全に関する明確なルールや作業手順が定められていない、あるいは定められていても現場に周知徹底されていない場合、作業者は自己判断で危険な行動をとってしまう可能性があります。新入社員や配置転換された作業者に対する適切な教育・訓練が行われていないと、必要な知識やスキルが不足し、ヒヤリハットが発生しやすくなります。現場で発生したヒヤリハット事例や危険箇所に関する情報が、関係者間で十分に共有されないことも問題です。心理的な安全性が確保されておらず、ヒヤリハットを報告しにくい雰囲気がある場合も、貴重な情報が集まらず対策が進みません。また、リスクアセスメントが適切に実施されていない、あるいは実施されていても対策が実行されていないなども管理体制の不備と言えるでしょう。これらの管理体制による原因に対処するためには、安全管理規程の整備や教育体制の強化、積極的な情報共有を促す環境づくりが求められます。

工場・倉庫におけるヒヤリハット対策

工場や倉庫におけるヒヤリハットの発生原因を踏まえ、効果的な対策を講じることが重要です。対策は現場での具体的な取り組みと、作業者の安全意識を高めるための活動に分けられます。ここでは、それぞれの側面からヒヤリハット対策について詳しく解説します。

現場での対策方法

ヒヤリハットの発生を抑制するためには、実際の作業現場での具体的な対策が不可欠です。日々の業務の中で実践できる様々な対策方法があります。

確認作業の徹底

作業を開始する前や作業の節目において、安全確認や設備の点検を徹底することは、ヒヤリハットを防ぐ上で非常に重要です。例えば、機械の起動前には周囲の安全確認を行い、作業に必要な保護具を正しく着用しているか確認します。また、高所作業の前には足場の安全性を確認し、フォークリフトの運転前には車両の点検を実施します。これらの確認作業を作業手順に組み込み、習慣化することで、不注意によるヒヤリハットを減らすことができます。指差呼称を取り入れることも、確認の徹底に有効な対策の一つです。

作業手順の見直しと周知

既存の作業手順の中に潜む危険要因を見つけ出し、より安全な手順に改善することもヒヤリハット対策として有効です。 作業手順の見直しにあたっては、過去に発生したヒヤリハット事例や、現場からの意見を参考に、リスクの高い作業工程を特定します。特定したリスクに対して、より安全な代替手段の導入や、複数の作業者によるダブルチェック体制の構築などを検討し、手順を改訂します。改訂された作業手順は、関係者全員に周知徹底することが重要です。マニュアルの配布や掲示、OJTによる指導、さらには動画マニュアルの活用など、様々な方法を用いて理解を深めます。作業手順が現場で遵守されているか定期的に確認し、必要に応じて再度指導を行うことも、対策を定着させる上で不可欠です。

危険予知トレーニング(KYT)の実施

危険予知トレーニング(KYT)は、作業の中に潜む危険を事前に予測し、対策を立てる能力を高めるための効果的な訓練です。 KYTは通常、複数の作業者が集まり、特定の作業を想定してどのような危険が潜んでいるか話し合い、その危険に対する対策を検討する形式で行われます。過去のヒヤリハット事例を題材にすることで、より実践的な危険予知能力を養うことができます。KYTを通じて、作業者一人ひとりが危険に対する感受性を高め、主体的に安全確保について考える習慣を身につけることが期待できます。定期的にKYTを実施することで、現場全体の安全意識の向上にもつながります。

作業者の体調管理

作業者の健康状態や疲労度は、ヒヤリハットの発生に大きく影響します。体調不良や過労は注意力の低下を招き、不安全な行動につながる可能性が高まります。 作業者の体調管理を徹底することも、ヒヤリハット対策の重要な柱です。企業は、作業者が十分な休息を取れるように配慮し、長時間労働を抑制する必要があります。作業開始前に体調のチェックを行う仕組みを導入したり、体調不良を気軽に申告できる環境を整備したりすることも有効です。作業中に適宜休憩時間を設けることや、業務内容に応じて作業負荷を調整することも、疲労の蓄積を防ぎ、作業者の集中力を維持するために重要です。これらの対策を通じて、作業者が常に良好なコンディションで作業に取り組めるように努めることが、ヒヤリハットの予防につながります。

設備や環境の改善

ヒヤリハットの原因となる設備や環境の不備を根本的に改善することも、重要な対策です。 設備に関しては、老朽化した機器の交換や最新の安全装置の導入、機械の点検・メンテナンスの頻度を増やすなどの対策が考えられます。機械の危険な箇所にカバーを設置したり、緊急停止ボタンを分かりやすい位置に取り付けたりすることも有効です。環境面では、通路の整理整頓を徹底し、障害物をなくすことや、床の段差を解消したり滑りにくい床材を使用したりするなどの対策が挙げられます。照明を適切に設置し、作業場所の視認性を高めることも重要です。これらの設備や環境の改善は、物理的な危険要因を排除し、作業者がより安全に作業できる環境を整備するために対策として行われます。

安全意識を高める取り組み

現場での物理的な対策に加え、作業者一人ひとりの安全意識を高めるための継続的な取り組みもヒヤリハット対策には不可欠です。 安全意識を高めるための取り組みとしては、定期的な安全教育の実施が挙げられます。一方的な講義だけでなく、KYTのような実践的な訓練を取り入れることで、より効果的に危険に対する感受性を養うことができます。ヒヤリハット事例の共有会を開催し、実際に起こった事例を通して危険を自分事として捉える機会を設けることも有効です。安全標語の募集や唱和、安全に関するポスターの掲示なども、日常的に安全を意識させるための手段となります。また、安全パトロールを実施し、現場の危険箇所を作業者とともに確認したり、安全に関する提案を積極的に受け入れたりすることも、安全文化を醸成し、作業者の安全意識を向上させるために対策として取り組まれます。

ヒヤリハット報告の重要性

ヒヤリハットが発生した場合、それを「何も起こらなかったから大丈夫」と見過ごさずに、適切に報告し、共有することが極めて重要です。ヒヤリハット報告は、重大な事故を未然に防ぐための貴重な情報を得るための手段となります。

ヒヤリハット報告をする目的

ヒヤリハット報告の最大の目的は、重大な事故を未然に防止することにあります。 ヒヤリハットの報告を収集・分析することで、事故につながりかねない潜在的な危険要因や問題点を特定できます。これらの情報を基に、適切な対策を講じることで、同様のヒヤリハットやさらに重大な事故の再発を防ぐことが可能となります。また、ヒヤリハット事例を共有することは、作業者一人ひとりの安全意識を高めることにもつながります。他の作業者が経験したヒヤリハットを知ることで、自分自身の作業においても同様の危険がないか意識するようになり、危険予知能力の向上に役立ちます。報告を通じて現場の危険情報が集まることで、職場全体の安全管理体制の強化にもつながります。

ヒヤリハット報告書に含める内容

効果的なヒヤリハット報告書を作成するためには、必要な情報を漏れなく記載することが重要です。報告書には、具体的にどのような内容を含めるべきでしょうか。 ヒヤリハット報告書には、一般的に以下の内容を含めることが推奨されます。まず、「いつ(When)」、「どこで(Where)」、「誰が(Who)」ヒヤリハットを経験したか、あるいは目撃したかといった基本的な情報が必要です。次に、「何を(What)」、つまりどのような状況で、どのような出来事が発生したのかを具体的に記述します。そして、「なぜ(Why)」そのヒヤリハットが発生したのか、考えられる原因や背景を分析します。最後に、「どのように(How)」、今後どのようにすれば同様のヒヤリハットを防げるか、具体的な対策案や提案を記載します。これらの5W1Hの要素を意識して記載することで、状況が明確になり、原因分析や対策検討がスムーズに進みます。

ヒヤリハット報告書の作成方法

ヒヤリハット報告書は、誰が読んでも状況を正確に理解できるように、分かりやすく具体的に作成する必要があります。作成にあたっては、いくつかのポイントがあります。

報告書作成の際の注意点

ヒヤリハット報告書を作成する際には、主観的な推測ではなく、客観的な事実を基に記述することが重要です。 報告書は、ヒヤリハットが発生した状況を正確に伝えるためのものです。そのため、「~だと思った」「たぶん~だろう」といったあいまいな表現や推測は避け、実際に見て、聞いて、感じた事実を具体的に記述します。原因についても、特定の個人を非難するのではなく、作業手順、環境、設備など、客観的な視点から分析した内容を記載します。また、専門用語の使用は避け、誰にでも理解できる平易な言葉で記述することも重要です。報告書を読むのは、必ずしも現場の作業員だけではないため、専門知識がない人でも内容を把握できるように配慮が必要です。これらの注意点を守ることで、ヒヤリハット報告書は、事故防止のための有効なツールとして活用できます。

報告書作成の例文

ヒヤリハット報告書を作成する際の参考として、具体的な例文をいくつか紹介します。これらの例文を参考に、実際の状況に合わせて内容を修正してご活用ください。 以下に、工場や倉庫で発生しうるヒヤリハットの報告書例文を示します。例えば、フォークリフト作業中の例文として、「発生日時:〇月〇日〇時頃、発生場所:第〇倉庫フォークリフト通路、作業内容:パレットの移動、状況・可能性:フォークリフトで走行中、角を曲がった際に他の作業員と衝突しそうになった。もし衝突していれば、作業員が負傷する可能性があった。問題・原因:角の視界が悪く、お互いの存在に気づくのが遅れた。また、作業員も通路の安全確認を怠った。提案・要望:通路の角にカーブミラーを設置する。作業員に対し、通路横断時の左右確認の徹底を再度周知する。」のように、5W1Hを含めて具体的に記述します。別の例として、製造ラインでの作業中の例文では、「発生日時:〇月〇日〇時頃、発生場所:〇〇製造ライン、作業内容:製品の検品、状況・可能性:稼働中のコンベアに指が吸い込まれそうになった。もし巻き込まれていれば、指を切断する危険があった。問題・原因:コンベアの安全カバーが一部破損していたことに気づかず作業していた。提案・要望:全コンベアの安全カバーの点検を実施し、破損箇所は速やかに修理または交換する。」といった形で記述できます。これらの例文のように、客観的な事実と具体的な対策を含めることが重要です。

ヒヤリハット報告を職場に定着させるポイント

ヒヤリハット報告が単なる形式的なものに終わらず、職場の安全文化として定着するためには、いくつかの重要なポイントがあります。報告しやすい環境づくりや報告内容の活用が鍵となります。

報告しやすい環境を作る

作業者がヒヤリハットを気軽に報告できるよう、心理的なハードルを下げるための環境整備が不可欠です。 まず、ヒヤリハット報告が罰則の対象となるものではなく、安全確保のための協力であることを明確に伝え、作業者の報告に対する抵抗感をなくすことが重要です。報告方法を簡便にする工夫も有効です。例えば、報告書の様式を分かりやすくしたり、スマートフォンやタブレットから手軽に入力できるシステムを導入したりすることで、報告にかかる手間を減らすことができます。また、匿名での報告を可能にすることも、人間関係などによる報告の躊躇をなくすために有効な手段となり得ます。上司や管理者が、報告に対して真摯に耳を傾け、報告した作業者を褒めるなどの肯定的なフィードバックを行うことも、報告しやすい雰囲気を作る上で重要です。

報告内容を共有する

集められたヒヤリハット報告は、関係者間で広く共有されることでその価値を発揮します。共有することで、多くの作業者が潜在的な危険を認識し、事故予防につなげることができます。 ヒヤリハット報告の共有は、様々な方法で行うことができます。例えば、朝礼や終礼時にヒヤリハット事例を紹介したり、安全掲示板に報告内容を掲示したりすることが挙げられます。週に一度や月に一度など、定期的に安全ミーティングを開催し、集まったヒヤリハット事例について参加者で話し合い、原因や対策について検討する機会を設けることも有効です。また、社内報や安全ニュースレターなどを通じて、より多くの従業員にヒヤリハット情報を発信する取り組みも考えられます。報告内容を共有する際は、具体的な状況だけでなく、その原因や講じられた対策についても併せて伝えることで、他の作業員が自身の作業に活かしやすくなります。これらの共有の取り組みを通じて、職場全体の安全意識を高め、ヒヤリハット事例集として蓄積された情報を有効活用することが重要です。

評価や報奨を設ける

ヒヤリハット報告を促進し、定着させるためには、報告を行った作業者に対する評価や報奨制度を設けることも有効な手段となり得ます。 報告内容の質や件数に応じて、人事評価に反映させたり、報奨金を支給したりするなどの制度を設けることで、作業者の報告意欲を高めることが期待できます。ただし、報告件数のみを評価基準とすると、質の低い報告が増える可能性もあるため、報告内容の重要性や対策への貢献度なども考慮に入れることが望ましいでしょう。また、報奨は金銭的なものだけでなく、表彰や昇進の機会を与えるなど、様々な形態が考えられます。重要なのは、ヒヤリハット報告が個人のメリットにもつながることを明確にし、組織として安全確保に向けた取り組みを重視している姿勢を示すことです。このような評価や報奨制度は、ヒヤリハット報告を単なる義務ではなく、積極的に取り組むべき活動として職場に根付かせるために対策として検討されます。

ヒヤリハット対策の効果を高めるために

ヒヤリハット対策は一度行えば終わりではなく、継続的に実施し、その効果を高めていくことが重要です。そのためには、対策の継続的な実施と、新しいツールや技術の活用が有効です。

継続的な対策の実施

ヒヤリハット対策は、一度実施しただけで満足せず、継続的に行うことが何よりも重要です。環境や作業内容の変化に合わせて、対策も柔軟に見直していく必要があります。 継続的な対策の実施のためには、ヒヤリハット報告の収集と分析を定期的に行い、最新の危険情報を常に把握することが不可欠です。分析結果に基づいて、既存の対策の効果を検証し、必要に応じて見直しや改善を行います。また、定期的な安全教育やKYTを継続的に実施し、作業者の安全意識を維持・向上させることも重要です。現場パトロールを定期的に行い、危険箇所の変化や新たな危険要因の出現を早期に発見する努力も必要です。これらの継続的な取り組みを通じて、職場の安全レベルを維持・向上させることができます。対策が形骸化しないよう、定期的に活動内容や目標を見直すことも効果を高めるためには必要です。

ツールや技術の活用

近年の技術進歩に伴い、ヒヤリハット対策に活用できる様々なツールや技術が登場しています。これらのツールや技術を効果的に活用することで、対策の効果をさらに高めることが可能です。 例えば、ヒヤリハット報告書の作成や管理を効率化するシステムやアプリを導入することで、報告の負担を軽減し、データの集計・分析を容易に行うことができます。防犯カメラやセンサーなどの監視システムを作業現場に設置することで、危険な行動や状況を検知し、リアルタイムでの注意喚起や事故発生時の状況把握に役立てることも可能です。動画マニュアル作成ツールを活用すれば、安全な作業手順を視覚的に分かりやすく伝えることができ、教育効果を高めることができます。また、VR(仮想現実)技術を用いた危険体感トレーニングは、実際の危険を伴わずにリアルな状況を体験できるため、危険に対する感受性を高める上で非常に有効です。これらのツールや技術を適切に導入・活用することで、より網羅的かつ効果的なヒヤリハット対策を実現し、職場の安全性を向上させることが期待できます。

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SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
関西No.1のシステム建築実績。

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