空調設備のない工場・倉庫で結露対策や湿気対策はどのように行うの?

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空調設備のない工場・倉庫で結露対策や湿気対策はどのように行うの?
日本の工場や倉庫では、高温多湿な気候により湿気や結露が発生しやすい環境にあります。特に空調設備がない場合、これらの問題はより顕著になります。湿気や結露を放置すると、保管している製品の品質低下や設備の劣化、さらには作業員の健康被害など、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。このようなリスクを回避するためには、適切な湿気・結露対策を講じることが非常に重要です。この見出しでは、空調設備がない工場や倉庫における湿気・結露対策についてご紹介します。
倉庫の湿気対策はなぜ重要?湿気によって起こるトラブルとは
日本の夏は高温多湿であり、倉庫にとって湿気対策は非常に重要です。倉庫に湿気がたまると、結露やカビが発生しやすくなり、保管している製品に悪影響を及ぼす可能性があります。また、倉庫の構造上、空調効率が悪く、コンクリートは湿気を吸収・放出しやすい性質があるため、湿気がたまりやすい環境と言えます。適切に湿度を管理しないと、様々なトラブルが発生し、倉庫内の環境悪化や製品の品質低下、さらには従業員の健康被害にもつながるため、湿気対策は欠かせません。
湿気によって発生するトラブル例
湿気が溜まると、カビやそれをエサにするダニ、害虫が発生しやすくなります。また、建物自体が水分を含み、建材の腐食や金属部分の錆を引き起こし、建物の劣化を早める可能性があります。保管している製品が、紙製品や食品、電子部品などの場合、品質の低下や破損にもつながります。さらに、カビの胞子やダニはアレルギーの原因となるなど、従業員の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。湿度の高い環境は作業効率の低下にもつながります。
カビやダニの発生
高温多湿な環境はカビが発生しやすく、温度20~25℃、湿度80%前後がカビの発生しやすい条件と言われています。カビは見た目だけでなく、悪臭の原因となり、アレルギー症状を引き起こす可能性もあります。また、カビをエサとするダニの繁殖も招き、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの健康被害につながるリスクを高めます。カビやダニは製品への付着による品質低下や異物混入のリスクもあるため、適切な湿度管理が重要です。
建物の劣化や錆・腐食
湿気や結露は、建物を構成する金属部分に錆を発生させ、建材の腐食を引き起こす可能性があります。これにより建物の強度が低下し、劣化を早める原因となります。また、建物だけでなく、保管している機械や設備なども錆びてしまい、故障や性能の低下につながることもあります。特に地震などの災害時には、建物の劣化が被害を拡大させる恐れもあります。これらの被害を防ぐためにも、適切な湿気対策を行うことが重要です。
保管製品の品質低下
湿気が原因で製品の品質が低下することがあります。たとえば、食品はカビが発生したり腐敗したりする可能性があり、金属製品は錆びてしまうことがあります。また、紙製品は湿気を吸って変形したり、電子機器は湿気によって故障したり性能が低下したりすることも考えられます。これらの品質低下は、製品の廃棄や補修につながり、経済的な損失を招く可能性があります。適切な湿度管理は、製品の品質を維持し、このようなリスクを軽減するために非常に重要です。
従業員の健康被害
倉庫や工場における湿気は、カビやダニの発生を招き、そこで働く従業員の健康に影響を与える可能性があります。カビの胞子を吸い込むことでアレルギー症状や呼吸器系の疾患を引き起こしたり、ダニのフンや死骸が原因でアトピー性皮膚炎や喘息が悪化したりすることも考えられます。また、湿度が高い環境は熱中症のリスクを高める要因にもなります。快適かつ安全な作業環境を維持するためには、適切な湿度管理と結露対策が不可欠です。
空調設備のない工場・倉庫で結露対策や湿気対策はどのように行うの?
空調設備がない工場や倉庫で結露や湿気対策を行う場合、自然の法則を利用した対策と、アイテムを活用した対策があります。湿度計を設置し、工場・倉庫内の複数箇所と屋外の湿度を記録することで、湿度の傾向を把握できます。換気は風の通り道を意識し、複数の開口部を設けることが重要です。また、保管場所を工夫することも有効です。熱伝導率の高いコンクリートの近くには湿気に弱いものを置かないように注意しましょう。
自然の法則を利用した湿気や結露の対策
空調設備がない環境で湿気や結露対策を行うには、自然の法則を理解し活用することが重要です。まず、倉庫内に湿度計を設置し、各所の湿度を把握します。屋外にも湿度計を設置し、屋外の湿度との比較や傾向を記録することも大切です。特に、倉庫の規模が大きい場合は、複数箇所での測定をおすすめします。湿度は時間帯や天候によって変動するため、日々の記録を確認しながら、湿度管理に役立てましょう。
屋外の湿度が高い時期は記録も重要
自然の法則を利用して湿気や結露対策を行うには、まず工場や倉庫に湿度計を設置することが重要です。特に規模の大きな場所では、四方に1個ずつ、さらに屋外にも1個以上設置し、数値を記録することで傾向を把握できます。屋外の温度が屋内より高くなる時期は、日々の記録を確認し、湿度が低い時間帯に換気を行うのが効果的です。台風や雨天時には、湿度が高くなった外気を入れないよう、扉の開放を避けることも大切です。
空調設備のない工場・倉庫…換気のポイントは内部まで風が通り抜けること
空調設備がない工場や倉庫では、建物全体に風が通り抜けるような換気を意識することが重要です。窓や扉を複数箇所、対角線上に開けることで空気の通り道を作り、効率的な換気を促せます。窓の配置や数に限りがある場合は、送風機やシーリングファン、ベンチレーターなどを活用して空気の循環を意図的につくり出すことも有効です。換気不足は湿気や結露の原因となり、保管物の劣化や作業環境の悪化を招くため、建物内部の空気をしっかりと入れ替えることが大切です。
湿度と温度の関連性を理解した保管のポイント
倉庫や工場で湿気や結露の対策を行うには、湿度と温度の関連性を理解することが重要です。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができますが、温度が下がると含むことができる水蒸気の量が減り、飽和状態を超えると水滴となって結露が発生します。したがって、保管物の品質を維持するためには、温度と湿度の両方を適切に管理する必要があります。特に湿気を嫌う製品や原材料を保管する場合は、場所による温度分布の違いを考慮して保管場所を決定することが大切です。一般的に、天井に近い高い場所は床に近い場所よりも温度が高い傾向があります。
熱伝導の早いコンクリート際には注意
コンクリートは熱伝導率が高く、外気の影響を受けやすい素材です。そのため、外部の温度変化が屋内の壁や床に伝わりやすく、特に冬季には外気温の低下によってコンクリート表面の温度が下がります。この冷たい表面に室内の暖かく湿った空気が触れることで結露が発生しやすくなります。コンクリート際に保管物を置く際は、この熱伝導の特性を考慮し、結露による製品の品質低下を防ぐための対策が必要です。
吸湿性の高い材質の取り扱いは?
紙製品や繊維製品など、吸湿性の高い製品を保管する際には、特に湿気対策が重要になります。これらの製品は湿気を吸収しやすく、カビの発生や品質の低下につながりやすいためです。保管場所の湿度を適切に管理し、可能であれば通気性の良い環境を選びましょう。また、シリカゲルなどの吸湿剤を活用することも有効な手段の一つです。密閉性の高い容器に乾燥剤と一緒に入れることも効果的です。
工場倉庫で行う結露や湿気の対策とは?
工場や倉庫の結露や湿気対策としては、まず換気が基本です。窓やドアを複数開けて空気の通り道を作ることで、効率的に湿気を排出できます。また、除湿・吸湿マットやプレート、業務用の除湿剤を設置することも有効です。シーリングファンやベンチレーターは空気の循環を促し、湿気がこもるのを防ぎます。保管物自体をストレッチフィルムで覆い、その中に除湿剤を入れる方法も効果的です。ただし、過度な除湿は乾燥による別の問題を引き起こす可能性があるので注意が必要です。抜本的な対策としては、結露防止塗料の塗布や断熱施工、換気システムの改善、倉庫自体の改築なども検討できます。
換気を徹底する
結露対策の基本は、湿気を含んだ空気を外に出し、新鮮な空気を取り入れる換気を徹底することです。空調設備がない場合は、窓や扉を開放して空気の入れ替えを行いましょう。効果的な換気のためには、風の通り道を意識し、複数の窓や扉を開けることが重要です。台風や雨天時は外の湿度が高いため、扉の開放は控えるようにしましょう。特に規模の大きい工場や倉庫では、窓を開けるだけでは十分な換気が難しい場合もあります。
除湿・吸湿マット/プレートの導入
除湿・吸湿マットやプレートは、電源を使用せず湿気対策ができるアイテムです。シリカゲルB型などが使用されており、湿度が高い時に吸湿し、湿度が低い時に放湿するという調湿機能を持つものがあります。インジケーターが付いている製品もあり、吸湿状態を目視で確認できます。床からの湿気対策に有効なほか、建物全体を除湿する目的で設置されることもあります。天日乾燥で吸湿力が回復し、繰り返し使用できるタイプもあります。
シーリングファンやベンチレーターの設置
倉庫全体の空気循環を促進し、湿気がこもるのを防ぐために、シーリングファンやベンチレーターの設置が有効です。シーリングファンは天井付近の空気を攪拌して空気の循環を促し、特に天井近くにたまりやすい湿気対策に効果的です。ベンチレーターは屋根に設置し、倉庫内部の空気を自然に外部へ排出する筒状の換気装置です。これらを併用することで、より高い除湿効果が期待できます。広い倉庫では、大型の業務用シーリングファンやベンチレーターの導入が効果的です。定期的な清掃やメンテナンスも重要です。
保管物をストレッチフィルムで覆う
保管物をストレッチフィルムで覆うことも湿気対策として有効です。製品全体をストレッチフィルムでしっかりと包み込むことで、湿気を遮断する効果が期待できます。特に湿度に弱い製品や、湿度から保護したい製品がある場合に有効な方法です。また、フィルムで覆う際に、フィルムと製品の間に産業用除湿剤を封入すると、より効果的に湿気を吸収し、製品を乾燥した状態に保つことができます。換気が難しい環境や湿度が高い場所での保管に適しています。ただし、フィルムで覆う範囲や量が増えると手間がかかるため、根本的な対策と合わせて検討することが重要です。
過度な除湿には注意
過度な除湿は、大切な保管製品や加工材料自体にトラブルを引き起こす可能性があります。例えば、必要以上に空気が乾燥すると、特定の材料の劣化を早めたり、ひび割れや変形を招くことも考えられます。また、過乾燥は建材にも影響を与え、長期的な視点で見ると建物の耐久性を損なう可能性も否定できません。適切な湿度管理は、製品の品質維持だけでなく、倉庫全体の健全性を保つためにも重要となります。
昨今の気象条件も懸念材料
近年、地球温暖化の影響により、梅雨や夏季の外気に含まれる水蒸気量が増加し、夏型結露が増える傾向が見られます。これは、建物内部に低温となる空間や部位がある場合に、外気の高湿な空気が原因で発生する結露です。特に、2001年から2020年までの気象データを用いたシミュレーションでも、気象変化によって土間床倉庫や低温室天井裏などで発生する夏型結露の量が増加傾向にあることが明らかになっています。このような気象条件の変化も、倉庫や工場における結露や湿気対策をより重要にしています。
工場・倉庫の新規施工という選択肢
既存の工場や倉庫では、建物の構造上湿気や結露の対策が難しい場合があります。特に古い建物や空調設備がない場合は、いくら対策を行っても効果が限定的になることも少なくありません。昨今の厳しい気象条件も相まって、従来の対策では限界を感じている事業者も増えています。このような状況を踏まえ、工場や倉庫の新規施工を検討するケースが増加しています。新しい建物であれば、設計段階から湿気や結露対策を考慮した構造や設備を導入できるため、将来的なコストも含めて大きなメリットが期待できます。経験豊富な建設会社では、独自のノウハウや最新技術を活かした最適な対策を提案してくれます。
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許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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