建物附属設備の耐用年数一覧と減価償却|節税につながる区分のコツ

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建物附属設備の減価償却は、不動産投資や事業経営における節税の重要なポイントです。 建物本体と附属設備を正しく区分し、それぞれ定められた耐用年数で減価償却費を計上することで、経費を早期に計上しやすくなります。
この記事では、電気設備や給排水設備といった附属設備の耐用年数の一覧を紹介するとともに、減価償却の計算方法や、節税効果を高めるための区分のコツについて詳しく解説します。
建物附属設備とは?減価償却の対象範囲を具体例で解説

建物附属設備とは、建物に固着して設置され、建物の機能や利便性を高めるための設備を指します。 具体例としては、電気設備、給排水設備、空調設備、エレベーターなどが挙げられます。
これらの設備は、建物本体とは独立した減価償却資産として扱われ、それぞれに法定耐用年数が定められています。 減価償却の対象範囲を正しく理解し、建物本体と附属設備を明確に区分することが、適切な会計処理と節税の第一歩となります。
なぜ分ける?建物本体と附属設備を区分して減価償却する2つのメリット

建物本体と附属設備を区分して会計処理を行うことには、税務上の大きなメリットがあります。 最大の理由は、建物本体よりも附属設備の耐用年数が短く設定されている点にあります。
この違いを利用して、附属設備の部分をより短い期間で減価償却することが可能になります。 これにより、課税所得を圧縮し、キャッシュフローを改善する効果が期待できます。 建物を取得する際は、この区分を明確に意識することが節税戦略の基本です。
メリット1:より短い耐用年数で経費計上できる
建物本体の法定耐用年数は、構造によって木造で22年、鉄骨鉄筋コンクリート造で47年などと長く設定されています。 一方、建物附属設備の多くは15年程度の耐用年数が適用されます。
このように、附属設備を建物本体と分けて計上することで、より短い期間で減価償却費という経費を計上できます。 例えば、3,000万円の取得価額のうち、500万円が附属設備だった場合、その500万円分は15年で償却できるため、単年度に計上できる費用が増加します。 結果として、早い段階で多くの費用を認識することが可能になります。
メリット2:キャッシュフローが改善し節税につながる
建物と附属設備を区分し、より短い耐用年数を適用して減価償却費を多く計上すると、その分だけ課税対象となる所得金額が減少します。 所得が減れば法人税や所得税の納税額も少なくなるため、直接的な節税につながります。 納税額が抑えられるということは、手元に残る現金(キャッシュフロー)が増えることを意味します。
この改善されたキャッシュフローを、新たな投資や事業の運転資金として活用することで、より健全な経営や資産形成が実現できます。 このように、適切な会計処理は資金繰りにも良い影響を与えます。
【一覧表】建物附属設備の構造・用途別の法定耐用年数

建物附属設備の法定耐用年数は、その構造や用途によって「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で詳細に定められています。 例えば、同じ空調設備であっても、冷凍機の出力や構造によって年数が異なる場合があります。
そのため、所有する設備の細目を確認し、正確な耐用年数を適用することが不可欠です。 ここでは、国税庁が公表している情報に基づき、主要な建物附属設備の法定耐用年数を一覧で紹介します。
電気設備(照明設備など)
電気設備は、建物に電気を供給し、利用するための重要な設備群です。 この区分には、照明設備や配線設備、受変電設備などが含まれます。 これらの設備の法定耐用年数は、その種類によって異なります。
例えば、独立した電源である蓄電池電源設備の耐用年数は6年と比較的短く設定されています。 一方で、一般的な照明設備を含むその他の電気設備については、原則として15年が適用されます。 事業の用に供する建物の電気系統の工事や更新を行う際は、これらの耐用年数に基づいた会計処理が必要です。
給排水・衛生設備、ガス設備
給排水・衛生設備、そしてガス設備は、日常生活や事業活動に不可欠なインフラです。 具体的には、給水管や排水管、貯水槽、洗面台や便器といった衛生器具、そしてガス管や給湯器などがこの分類に含まれます。 これらの設備は、建物の快適性や機能性を支える重要な役割を担っています。
税法上、これらの給排水・衛生設備およびガス設備の法定耐用年数は、一律で15年と定められています。 井戸を掘削して利用する場合の井戸設備なども、このカテゴリーに分類され、同様の耐用年数が適用されます。
冷暖房設備(空調設備)
冷暖房設備、一般的に空調設備と呼ばれるものは、室内の温度や湿度を快適に保つための設備です。この設備の法定耐用年数は、冷媒として何を使用するか、またその規模によって区分されています。
具体的には、冷凍機の出力が22kW以下の小規模なものは13年、それを超える規模のものは15年となります。また、冷暖房機能を持たず、送風や換気のみを目的とするダクトで構成された通風設備の場合は、建物の種類によって異なり、例えば事務所用の建物であれば18年が適用されます。このように、空調設備のスペックを正確に把握することが重要です。
昇降機設備(エレベーター、エスカレーター)
昇降機設備は、人や荷物を垂直または斜め方向に移動させるための設備であり、主にエレベーターやエスカレーターが該当します。 これらの設備は、特に中高層の建物において不可欠な存在であり、資産価値にも大きく影響します。 税法上の法定耐用年数は、設備の種類によって明確に区別されています。
エレベーターの耐用年数は17年と定められている一方、エスカレーターの耐用年数は15年と、2年の差があります。 設置されている設備がどちらに該当するかを正確に把握し、適切な年数で減価償却を行う必要があります。
消火・排煙・災害報知設備および格納式避難設備
建物の安全性を確保するために設置される消火・排煙・災害報知設備や格納式避難設備も、建物附属設備に分類されます。 これには、スプリンクラー設備、消火栓、火災報知器、排煙設備、そして避難はしごなどが含まれます。 これらの防災関連設備の法定耐用年数は、8年と定められています。
ただし、建物に固定されておらず、単体で持ち運びが可能な消火器などは、建物附属設備ではなく器具備品として扱われる場合があるため、設備の設置形態に注意が必要です。 安全を守るための設備も、会計上は正しく資産計上と償却が求められます。
その他の建物附属設備
これまで紹介したもの以外にも、建物附属設備に分類されるものは多岐にわたります。 例えば、アーケードや日よけ設備、店舗で使われる簡易な装備、看板や広告塔、そして駐車場設備などが該当します。
これらの耐用年数は、構造や用途によって個別に定められています。 例えば、金属製のアーケードは15年、アスファルト敷の駐車場は10年です。 また、倉庫で利用される荷役設備は10年、建物の外壁に行う塗装は建物本体の耐用年数によりますが、修繕費として処理されるケースも多いです。 通風設備や屋根の防水工事など、判断が難しい場合は専門家への確認が推奨されます。
建物附属設備の減価償却費の計算方法を解説

建物附属設備の減価償却費を計算する際は、税法で定められた償却方法に従う必要があります。 平成28年度の税制改正により、現在、建物附属設備の減価償却方法は「定額法」に一本化されています。
定額法は、毎年一定額の減価償却費を計上する方法で、計算がシンプルであるという特徴があります。 ここでは、この定額法を用いた具体的な計算方法と、税制改正のポイントについて解説していきます。
平成28年度税制改正により償却方法は定額法のみ
平成28年度の税制改正により、会計処理のルールが変更されました。 具体的には、平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備および構築物については、その減価償却方法が定額法のみに限定されることになりました。
この改正以前は、税務署への届出によって、初期に多くの減価償却費を計上できる定率法を選択することも可能でした。 しかし、現在では新たに取得するこれらの資産については定率法を選択できず、毎年均等額を償却する定額法を適用する必要があります。 この変更は、損益計算に直接影響を与えるため、不動産や設備投資を計画する際には必ず念頭に置くべき重要なポイントです。
【計算例】定額法による減価償却費のシミュレーション
定額法による減価償却費の計算は、「取得価額×定額法の償却率」という式で行います。 償却率は、資産の耐用年数に応じて定められています。 例えば、取得価額が300万円で、耐用年数15年の給排水設備を取得した場合を考えてみましょう。 耐用年数15年の定額法償却率は0.067です。
この場合の年間の減価償却費は、「300万円×0.067=20万1,000円」となります。 この金額を、原則として15年間にわたって毎年経費として計上していくことになります。 期中に取得した場合は、事業の用に供した日から決算日までの月数で月割計算を行います。
節税効果を高める!建物と附属設備を正しく区分するコツ

建物と附属設備の区分を適切に行うことは、節税効果を最大化するための鍵となります。 建物を取得した際に、その取得価額全体を建物として計上するのではなく、附属設備の価額を合理的な方法で按分し、個別の資産として計上することが重要です。 この区分が曖昧だと、税務調査で指摘を受けるリスクもあります。
ここでは、附属設備の価額を正しく算出し、税務上も認められるための具体的な方法やコツを解説します。
工事の見積書は「本体」と「設備」で分けて作成を依頼する
建物と附属設備を最も明確に区分するための方法は、建物の新築や購入時に、工事請負業者や売主から取得する見積書や契約書にあります。 これらの書類を作成してもらう段階で、「建物本体工事」と「電気設備工事」「空調設備工事」といったように、項目を分けて金額を明記してもらうよう依頼することが極めて重要です。
このように客観的な証拠資料があれば、附属設備の取得価額が明確になり、税務調査の際にも合理的な根拠として認められやすくなります。 後から価額を按分するのは手間がかかり、客観性にも乏しくなるため、契約前の段階で準備しておくことが最善の策です。
中古物件を取得した場合の耐用年数の計算方法
中古の建物を取得した場合、その附属設備の耐用年数は新品とは異なる計算方法を用います。 一般的には「簡便法」と呼ばれる方法で算出します。 まず、法定耐用年数から経過した年数を引きます。 次に、その経過年数に20%を掛けた年数を足し戻します。
計算式は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2」となります。 例えば、法定耐用年数15年の設備で、経過年数が5年の場合、(15年-5年)+5年×0.2=11年が耐用年数です。 もし法定耐用年数をすべて経過している場合は、法定耐用年数の20%が適用されます。 この計算で1年未満の端数が出た場合は切り捨て、2年未満になった場合は2年とします。
【比較】構築物や器具備品との違いとは?

会計処理を行う上で、建物附属設備と混同しやすい勘定科目に「構築物」及び「器具備品」があります。 これらの資産は、それぞれ定義や耐用年数が異なるため、正確に区分して処理することが求められます。 例えば、屋外にある駐車場設備は構築物、オフィス内のエアコンは建物付属設備、パソコンは器具備品といった違いがあります。
この区分を誤ると減価償却費の計算に影響が出るため、それぞれの違いを正しく理解しておくことが重要です。
構築物との違い
構築物とは、土地の上に定着している建物以外の土木設備や工作物を指します。 建物附属設備が建物と一体となってその機能性を高める設備であるのに対し、構築物は建物から独立して機能する点が大きな違いです。
具体的な例としては、塀、門、庭園、舗装された道路や駐車場、屋外の看板や広告塔などが構築物に該当します。 建物と構築物では法定耐用年数が異なるため、例えば屋外に設置された駐車場のアスファルト舗装は構築物として10年、建物内の機械式駐車場設備は建物附属設備として15年で償却するなど、設置場所や機能によって適切な勘定科目を選択する必要があります。
器具備品との違い
器具備品と建物附属設備の主な違いは、建物に固着しているかどうかという点にあります。 一般的に、建物に固定されておらず、単体で移動させることが可能なものが器具備品に分類されます。 例えば、オフィスで使用する机、椅子、パソコン、コピー機などが該当します。
一方で、建物附属設備は、電気配線や給排水管のように建物と一体化しており、容易に取り外すことができない設備を指します。 ただし、壁掛け式のエアコンのように、取り外し可能であっても建物の機能の一部を担うものは建物附属設備として扱われることが多く、判断に迷う場合は設備の設置状況や機能性を考慮して個別に判断する必要があります。
内装工事は建物附属設備として扱えますか?
はい、内装工事の内容によっては建物附属設備として扱えます。 例えば、天井に埋め込むタイプの空調設備や、建物に固定された照明設備などは該当します。
ただし、建物の構造と一体化している壁や床などの造作は建物本体として処理されます。 また、取り外しが容易な間仕切りや置き家具、カーテンなどは器具備品に分類されることが一般的です。 工事内容を細かく分け、それぞれの実態に応じて判断する必要があります。
取得価額が10万円未満の設備はどう処理すればよいですか?
取得価額が10万円未満の設備は、資産計上せずに、取得した事業年度の経費(消耗品費など)として一括で処理することができます。 これは「少額の減価償却資産」の規定によるものです。 金額の判定は、通常1単位として取引される単位ごとに行います。 例えば、応接セットの場合は椅子とテーブルの合計額で判断します。
この処理により、経理事務の負担を軽減し、早期に費用化することが可能です。
個人事業主でも建物と附属設備を分けて減価償却できますか?
はい、個人事業主でも建物と附属設備を分けて減価償却することが可能です。 賃貸経営を行っているアパートやマンションなどの不動産物件や、事業で使用している店舗兼住宅の家屋についても、法人と同様に建物本体と附属設備を区分して、それぞれに応じた耐用年数で減価償却費を計算し、不動産所得や事業所得の経費として計上できます。
これにより節税メリットを享受することが可能です。
まとめ
建物附属設備を建物本体と正しく区分し、それぞれに定められた法定耐用年数を用いて減価償却を行うことは、節税およびキャッシュフロー改善の観点から非常に重要です。
電気設備や空調設備などは建物本体よりも耐用年数が短いため、これらを分けることでより多くの減価償却費を早期に経費として計上できます。 建物を取得する際は、見積書の段階で本体と設備の内訳を明確にしてもらうことが、後の会計処理をスムーズに進めるための鍵となります。 適切な資産管理と会計処理を行い、健全な事業運営や不動産経営を実現してください
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会社概要
| 社名 | 株式会社澤村 |
|---|---|
| 本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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