冷凍冷蔵倉庫の設備とは?必要な種類や選び方のポイント、会社を紹介

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冷凍冷蔵倉庫は、食品や医薬品などの品質を維持するために不可欠な施設です。 その心臓部となるのが、商品を適切な温度で保管するための各種設備であり、冷凍倉庫の性能はこれらの設備の品質や構成に大きく左右されます。 目的の温度帯を維持する基本的な冷蔵設備から、作業効率や安全性を高める周辺機器まで、その種類は多岐にわたります。
適切な設備を選定することは、商品の品質保持はもちろん、運営コストの削減や法令遵守にも直結するため、非常に重要です。 本記事では、冷凍冷蔵倉庫に必要な設備の種類や選定ポイント、信頼できる会社の選び方について解説します。
冷凍冷蔵倉庫に求められる法律上の施設設備基準

冷凍冷蔵倉庫を営業用として運用するには、倉庫業法で定められた施設設備基準を満たす必要があります。 この基準は、保管する物品の品質維持と安全確保を目的としており、建物の強度や防火・防水性能、防犯対策など多岐にわたる項目が定められています。 特に冷凍冷蔵倉庫の場合、断熱性能が重要な要素となり、外壁や床の構造、断熱材の種類などが厳しく問われます。 また、火災発生時に延焼を防ぐための防火区画の設置や、消火設備の設置も義務付けられています。
これらの基準をクリアしなければ、倉庫業としての登録ができないため、設計段階から法令を熟知した専門家と連携して計画を進めることが不可欠です。 基準を満たすことは、企業のコンプライアンス遵守だけでなく、顧客からの信頼を得る上でも基本となります。
冷凍冷蔵倉庫に不可欠な主要設備の種類

冷凍冷蔵倉庫の安定した稼働には、核となる冷却・冷凍設備が欠かせません。具体的には、冷媒を圧縮して低温を作り出す冷凍機や、庫内に冷気を送り込むクーラーなどの冷蔵設備がこれにあたります。
しかし、単に庫内を冷やすだけでは十分な品質管理は実現できません。荷物の搬出入時に外気が侵入し、温度が上昇するのを防ぐドックシェルターや、庫内の正確な温度を24時間監視するシステムも同様に重要です。さらに、低温環境下での作業効率と安全性を確保するための保管棚や、品質劣化の原因となる結露を防ぐ除湿設備など、様々な周辺設備が連携することで、冷凍冷蔵倉庫はその機能を最大限に発揮します。
庫内を一定温度に保つ冷却・冷凍設備
冷却冷凍設備は、冷凍冷蔵倉庫の心臓部であり、庫内を指定された温度に維持する役割を担います。 この設備は主に、冷媒を循環させて熱を奪う冷凍機と、庫内に設置されて冷風を送り出すユニットクーラーで構成されます。
冷凍機には、冷却能力や設置スペースに応じて、空冷式や水冷式などの種類が存在し、倉庫の規模や立地条件によって最適なものが選ばれます。 ユニットクーラーも、保管する商品の特性や荷役方法に合わせて、適切な風量や形状のモデルを選定することが求められます。 これらの冷却冷凍設備が安定して稼働し続けることで、商品の鮮度や品質が保たれるため、信頼性の高い機器の選定と定期的なメンテナンスが不可欠です。
荷役時の温度変化を防ぐドックシェルター
ドックシェルターは、トラックの荷台と倉庫の搬入口との隙間を塞ぎ、外気の侵入を防ぐための設備です。 冷凍冷蔵倉庫では、搬出入作業時の扉の開閉が庫内温度の上昇に直結し、品質劣化や冷却コストの増大を招く要因となります。 ドックシェルターを設置することで、荷役中も庫内の冷気を逃さず、外の熱気や雨風、塵埃の侵入を遮断できます。
これにより、安定した温度管理が可能となり、省エネルギー効果も期待できます。 ドックシェルターの構造には、トラックの大きさに合わせて伸縮するスポンジ式やエアシェルター式などがあり、施設の設計段階からトラックの接車バースの形状や利用頻度を考慮して、最適なタイプを選定することが重要です。
正確な温度管理を実現する温度計や監視システム
冷凍冷蔵倉庫における厳密な温度管理は、保管する商品の品質を保証する上で極めて重要です。 温度計や監視システムは、庫内の温度をリアルタイムで正確に把握し、逸脱があった場合に警報を発する役割を果たします。 近年では、複数のセンサーを庫内各所に設置し、データを一元管理するシステムが主流です。 これにより、温度のムラをなくし、均一な保管環境を維持できます。
さらに、収集した温度データを記録・蓄積することで、トレーサビリティの確保や品質管理レポートの作成にも活用可能です。 システムの導入は、手作業による温度記録の手間を省き、人為的ミスを防ぐ自動化にも貢献します。 遠隔監視機能を活用すれば、管理者はどこからでも倉庫の状態を確認でき、迅速な対応が実現するため、省エネ運用と管理の効率化に繋がります。
低温環境下でも使用できる保管用の棚やパレット
冷凍冷蔵倉庫で使用する保管棚やパレットは、低温環境に耐えうる特別な仕様が求められます。 常温の倉庫で使われる一般的なスチール製の棚は、低温下では金属が脆くなる「低温脆性」という現象により、衝撃で破損するリスクが高まります。
そのため、冷凍倉庫用の棚には、低温に強い鋼材を使用したり、錆を防ぐための特殊な塗装やメッキ処理が施されたりしています。 また、パレットも同様に、低温で割れにくい材質の樹脂製パレットや、耐久性の高いものが選ばれます。 保管効率と安全性を両立させるためには、保管する荷物の重量や形状、荷役に使用するフォークリフトの種類などを考慮した構造の棚を選定し、適切なレイアウトを計画することが不可欠です。
結露や霜の発生を防ぐための除湿・空調設備
冷凍冷蔵倉庫では、内外の温度差や扉の開閉によって湿気を含んだ空気が侵入し、結露や霜が発生しやすくなります。 結露は、床を濡らしてスリップ事故の原因になったり、商品や梱包材を劣化させたりする問題を引き起こします。 また、冷却設備に霜が付着すると冷却効率が低下し、消費電力の増大に繋がることもあります。
これらの問題を防ぐために、除湿・空調設備の設置が有効です。 除湿機によって庫内の湿度を適切にコントロールし、結露の発生を根本から抑制します。 特に荷捌きを行う前室や搬入口周辺は湿気が侵入しやすいため、重点的な対策が求められます。 適切な湿度管理は、商品の品質維持、作業環境の安全性向上、そしてエネルギーコストの削減に不可欠な要素です。
冷凍冷蔵倉庫の設備を選ぶ際に押さえるべき4つのポイント

冷凍冷蔵倉庫の設備選定は、単に機器の性能だけでなく、多角的な視点からの検討が必要です。 保管する商品の特性に合った温度帯を実現できるかは最も基本的な要件ですが、それと同時に、長期的な運用コストに直結する省エネ性能も見逃せません。
また、環境規制への対応や、作業員の安全性と効率性を考慮した設計も重要な判断基準となります。 これらのポイントを総合的に評価し、信頼できる専門業者と相談しながら計画を進めることで、自社の事業に最適化された冷凍冷蔵倉庫の実現が可能になります。
保管する商品の特性に適した温度帯か確認する
冷凍冷蔵倉庫の設備を選定する上で最も重要なのは、保管対象となる商品の特性に最適な温度帯を維持できるかという点です。 食品、医薬品、化学製品など、商品によって求められる温度は大きく異なり、例えば冷凍マグロは-50℃以下の超低温、アイスクリームは-25℃以下、冷凍食品は-18℃以下といった基準が存在します。
冷蔵設備を選定する際は、これらの温度帯を安定的に維持できる冷却能力を持つ機種を選ぶ必要があります。 また、将来的に取り扱う商品が変わる可能性も考慮し、ある程度の温度調整が可能な設計にしておくことも有効な選択肢です。 商品の品質を直接左右する要素であるため、専門家と相談の上、慎重に仕様を決定することが求められます。
省エネ性能を比較しランニングコストを試算する
冷凍冷蔵倉庫は24時間365日稼働し続けるため、その電力消費量は事業の運営コストに大きな影響を与えます。 そのため、設備選定時には初期投資額だけでなく、省エネ性能を十分に比較検討し、長期的なランニングコストを試算することが極めて重要です。 例えば、高効率な冷凍機やインバータ制御を搭載した機器、断熱性能の高いパネルや扉などを採用することで、消費電力を大幅に削減できます。
また、LED照明の導入や、デフロスト(霜取り)運転の最適化なども省エネに貢献します。 複数のメーカーの製品カタログや仕様書を比較し、エネルギー消費効率を示す数値を参考にしながら、費用対効果を総合的に判断することが、持続可能な倉庫運営の鍵となります。
フロン排出抑制法に対応した冷媒を選定する
冷凍冷蔵倉庫の冷却設備に使用される冷媒は、環境への影響を考慮して選定する必要があります。 従来広く使われてきたフロンガスの中には、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるものが含まれており、「フロン排出抑制法」によって規制が強化されています。 この法律では、環境負荷の少ない冷媒への転換が推進されており、温暖化係数(GWP)の低い自然冷媒(アンモニア、CO2など)や代替フロンの利用が推奨されています。
設備を新設・更新する際には、法律の要件を満たす冷媒を使用する冷凍機を選ぶことが必須です。 将来的な規制強化も見据え、より環境負荷の低い自然冷媒対応の機器を導入することは、企業の社会的責任を果たす上でも重要な選択となります。
作業員の安全性と業務効率を高める設計を検討する
冷凍冷蔵倉庫の設備選定では、冷却性能だけでなく、そこで働く作業員の安全性と業務効率を向上させる設計も考慮すべきです。 低温環境下での作業は、身体への負担が大きく、床の凍結による転倒などのリスクも伴います。 そのため、滑りにくい床材の採用や、視認性の高いLED照明の設置、緊急時に備えた警報装置や退避経路の確保が重要になります。
また、作業動線を最適化し、荷役作業をスムーズに行えるレイアウト設計を行うことで、業務効率は大幅に向上します。 近年では、搬送ロボットや自動倉庫システムといった自動化技術を導入し、省人化と作業負荷の軽減を図る事例も増えています。 安全性と生産性の両立を目指した設備設計が、働きやすい環境の構築に繋がります。
冷凍冷蔵倉庫の設備導入における注意点

冷凍冷蔵倉庫の設備導入を成功させるには、計画段階での検討が不可欠です。 自社で導入を進める場合と、外部の専門業者に委託する場合、それぞれにメリットと注意点が存在します。 特に、冷凍冷蔵倉庫は専門的な知識が要求されるため、法令遵守や最適な設計を実現するためには、信頼できるパートナーの選定が鍵となります。
安易な判断は、将来的に余分なコストやトラブルを招く可能性があるため、慎重にプロセスを進める必要があります。
自社で設備を導入する際に気をつけるべきこと
自社で冷凍冷蔵倉庫の設備導入を主導する場合、関連法規や専門知識の深い理解が不可欠です。 倉庫業法や建築基準法、フロン排出抑制法など、遵守すべき法律は多岐にわたります。 これらの規制を正しく理解せず設計を進めると、後で大規模な手直しが必要になったり、そもそも営業許可が下りなかったりするリスクがあります。
また、冷却能力の計算や最適な断熱構造の選定、効率的な動線計画など、専門的な知見がなければ、オーバースペックによる無駄なコスト増や、逆に性能不足による品質問題を招きかねません。 各設備のメーカーを個別に選定・発注する手間も発生し、全体のプロジェクト管理が煩雑になる点も注意が必要です。 自社に専門の技術者がいない場合は、リスクを避けるためにも専門業者への相談が賢明です。
外部の専門業者へ委託するメリット
冷凍冷蔵倉庫の設備導入を外部の専門業者へ委託することには、多くのメリットがあります。 最大の利点は、専門的な知識と豊富な経験に基づいた最適な提案を受けられる点です。 業者は、法令遵守はもちろん、顧客の要望や取り扱い商材の特性、予算に応じて、冷却設備から保管棚、管理システムに至るまで、総合的な設計をワンストップで提供してくれます。
これにより、自社で複数のメーカーや工事業者と個別にやり取りする手間が省け、プロジェクト管理の負担が大幅に軽減されます。 また、最新の省エネ技術や自動化設備に関する情報も豊富に持っているため、ランニングコストの削減や生産性向上に繋がる提案も期待できます。 施工からアフターメンテナンスまで一貫して任せられるため、長期的に安心して倉庫を運用することが可能です。
冷凍冷蔵倉庫の設備を相談できる会社の選び方
冷凍冷蔵倉庫の設備導入を成功させるためには、信頼できるパートナーとなる専門業者を選ぶことが極めて重要です。 業者の選定を誤ると、品質、コスト、スケジュールのいずれにおいても問題が発生する可能性があります。 会社の規模や知名度だけで判断するのではなく、自社のプロジェクトに真摯に向き合い、最適なソリューションを提案してくれる業者を見極める必要があります。
実績、提案力、そしてアフターサポートの3つの観点から総合的に評価し、長期的な関係を築ける会社を選びましょう。
豊富な施工実績や納入事例があるか確認する
冷凍冷蔵倉庫の設備を相談する業者を選ぶ際、まず確認すべきはその会社の施工実績や納入事例です。 企業のウェブサイトや会社案内などで、過去にどのような規模や温度帯の倉庫を手がけてきたかを確認します。 自社が計画している倉庫と類似した案件の実績が豊富であれば、それだけ多くの知見やノウハウを蓄積していると判断できます。
特に、同じ業界や同種の製品を扱う倉庫の事例があれば、特有の課題や要求に対する理解が深い可能性が高いです。 具体的な事例を通じて、その業者が持つ技術力や対応範囲を客観的に評価することが、信頼できるパートナーを見つけるための第一歩となります。 問い合わせの際には、具体的な事例について詳しく説明を求めるのも有効な方法です。
要望に合わせた柔軟な提案力があるか見極める
優れた専門業者は、画一的なプランを提示するのではなく、顧客の個別の要望や課題に合わせた柔軟な提案を行います。 例えば、保管する商品の種類や荷役の頻度、将来の事業拡大の可能性などを詳細にヒアリングし、それに基づいた最適な設備仕様やレイアウト設計を提示してくれるはずです。 単に機器を販売するだけでなく、省エネによるランニングコスト削減策や、作業効率を向上させるための動線計画など、付加価値の高い提案ができるかどうかが重要な見極めポイントです。
複数の業者から提案を受け、それぞれの内容を比較検討することで、自社の状況を深く理解し、真に価値のあるソリューションを提供しようとしている業者を見分けることができます。 こちらの質問に対して、的確で分かりやすい説明ができるかも判断材料になります。
導入後のメンテナンスやサポート体制が整っているか調べる
冷凍冷蔵倉庫の設備は、導入して終わりではなく、その後の安定稼働が不可欠です。 万が一、冷却設備が故障すれば、保管している商品の品質に甚大な被害が及ぶ可能性があります。 そのため、業者を選ぶ際には、導入後のメンテナンスやサポート体制が充実しているかを入念に調べる必要があります。
定期的な点検サービスの有無や、トラブル発生時に24時間365日対応してくれる緊急サポート窓口の存在は、安心して倉庫を運用するための重要な要素です。 また、全国にサービス拠点がある業者であれば、迅速な対応が期待できます。 契約前に、保証期間やメンテナンス契約の内容、具体的なサポート範囲について詳しく確認し、長期的に信頼関係を築ける業者を選定することが肝心です。
まとめ
冷凍冷蔵倉庫の設備は、冷却・冷凍設備を中核として、ドックシェルター、保管棚、監視システムなど多岐にわたる機器で構成されています。 これらの設備を適切に選定・導入することが、商品の品質維持と安定した倉庫運営の基盤となります。
設備選定にあたっては、保管商品の特性に合わせた温度帯の確保はもちろん、長期的な視点での省エネ性能の比較、法規制への対応、そして作業の安全性と効率性を高める設計が重要です。 専門的な知識が求められるため、豊富な実績と高い提案力、充実したサポート体制を持つ信頼できる専門業者をパートナーに選び、自社の事業に最適な冷凍倉庫を構築することが求められます。
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会社概要
| 社名 | 株式会社澤村 |
|---|---|
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| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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