クリーンルームとは~半導体工場のクラスや仕組みについて~

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クリーンルームとは~半導体工場のクラスや仕組みについて~

半導体製造に不可欠なクリーンルームは、空気中の浮遊微粒子や微生物、化学物質の濃度を徹底的に管理された特殊な空間です。

クリーンルームの清浄度は「クラス」という指標で分類されます。

この清浄度を維持するため、クリーンルームは高性能フィルターによる空気清浄システムや、特定の気流を発生させる仕組み、そして外部からの汚染物質の侵入を防ぐための構造を持っています。

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※1 理想科学工業㈱霞ヶ浦工場の実例を元に、イメージ表示し得られたデータを元に室内空間の温度上昇を抑制することから、空調設備の温度を上げることで電気代等の削減が期待できます。
※2 クールサーム®の実証実験にて10年以上の耐久性を確認しています。詳しくは弊社スタッフまでお問い合わせください

この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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クリーンルームの定義と重要性


クリーンルームは、空気中に浮遊する微粒子や化学物質、微生物などの汚染物質を厳密に管理し、清浄度を高く保つように設計された特別な空間です。この特殊な環境は、製品の品質や性能が微細な汚染に大きく左右される半導体製造において特に重要です。半導体の回路は非常に微細なため、わずかな塵や汚れでも製品の不良につながる可能性があります。そのため、クリーンルームによる清浄な環境の維持が不可欠なのです。

クリーンルームとはどのような場所か

クリーンルームは、空気中の微粒子や微生物、化学物質などが厳しく管理され、清浄度が一定レベル以下に保たれた空間です。 この空間では、製品への微細な異物混入を防ぐことが可能です。 そのため、半導体工場だけでなく、食品加工工場や医薬品製造、精密機器の工場など、幅広い分野で活用されています。 クリーンルーム内では、温度や湿度、圧力、静電気といった環境条件も必要に応じて管理されます。 ただし、高度な清浄度を維持するには、それなりの設備投資や維持費用がかかります。

なぜ半導体製造にクリーンルームが必要なのか

半導体製造プロセスでは、空気中の微細な粒子である「パーティクル」が製品の品質に大きな影響を与えます。半導体の回路は非常に小さいため、目に見えないほどのパーティクルでも回路のショートや断線を招き、不良品の原因となるためです。 このため、半導体製造においては、空気中のパーティクルを極限まで排除し、清浄な環境を維持するクリーンルームが不可欠となります。 クリーンルームは、外部からの汚染物質の持ち込みを防ぐだけでなく、製造装置自体から発生するパーティクルも抑制するよう設計されています。

クリーンルームの構造と仕組みについて


クリーンルームは、特殊な壁材と天井材で囲まれた構造をしています。外部からの微粒子の侵入を防ぐため、室内は外部よりも気圧を高く保つ「陽圧」に設定されています。室内の空気は、高性能なHEPAフィルターなどを通して清浄化され、常に循環しています。この空気の流れ方には種類があり、垂直一方向流方式や乱流方式といった方式が採用されています。

垂直一方向流方式

垂直一方向流方式は、クリーンルームの天井全体に設置されたフィルターから、床下全面の吸込口に向けて空気を垂直かつ一方向に流す方式です。この方式では、室内の空気中の浮遊物が気流に乗って床面に押し出され、効率的に排出されます。そのため、微粒子の滞留を防ぎ、高い清浄度を維持できるという利点があります。主に高い清浄度が求められる半導体工場や精密機械工場などで採用されています。一方で、設備コストや運用コストが高くなる傾向があり、部屋の拡張が難しいといった側面もあります。

乱流方式(非一方向流方式)

乱流方式(非一方向流方式)は、天井や壁の一部に設置された超高性能フィルターから清浄な空気を供給し、排気口から排出することで室内の空気を循環させる方式です。この方式では、空気の流れが一方向ではなく乱流となることで、室内の微粒子を希釈して清浄度を保ちます。空気の滞留箇所が発生する可能性があるため、一方向流方式と比較すると清浄度は劣る傾向にあります。しかし、設備や工事が比較的少なく済むため、初期コストやランニングコストを抑えられるメリットがあります。クラス1,000から100,000程度の清浄度が求められるクリーンルームに採用されることが多いです。目的に合わせた方式選定が重要となります。

クリーンルームの清浄度分類


クリーンルームの清浄度は、空気中の浮遊微粒子や微生物などの不純物の量によって分類されています。この清浄度を示す指標は「クラス」と呼ばれており、特定の体積に含まれる不純物の数に基づいて決定されます。

清浄度を表す「クラス」とは

クリーンルームの清浄度は、「クラス」と呼ばれる指標で示されます。このクラスは、空気中に存在する特定の大きさ以上の微粒子の数によって定義されており、単位体積あたりの粒子数が少ないほど清浄度が高い、つまりクラスの数値が小さくなります。

国際規格と旧米国連邦規格

清浄度を示す規格にはいくつか種類がありますが、現在は国際標準化機構(ISO)が定めたISO規格(ISO 14644-1)への移行が進んでいます。一方で、半導体業界などでは、以前から使われている米国連邦規格(FED-STD-209E)も広く用いられています。米国連邦規格では、1立方フィート(約28.3リットル)の空気中に含まれる0.5マイクロメートル以上の粒子の数でクラスが定められ、例えば0.5マイクロメートル以上の粒子が100個未満であればクラス100となります。ISO規格では、1立方メートルあたりの粒子数でクラスが分類されています。

半導体工場で求められる清浄度クラス

半導体製造では、製品の品質に直結するため、極めて高い清浄度が求められます。そのため、半導体工場では一般的にクラス1からクラス100といった、非常に清浄度の高いクリーンルームが使用されています。 特に、回路形成に関わる前工程では、高いレベルでの塵埃管理が不可欠です。 これらのクラスは、空気中の特定サイズの粒子の数が非常に少ないことを意味し、米国連邦規格では1立方フィートあたりの0.5マイクロメートル以上の粒子数で定義されます。

クリーンルームの運用と維持


クリーンルームの高い清浄度を維持するためには、運用と維持管理が非常に重要です。設備の機能だけでなく、日々の管理が不可欠となります。そのため、「持ち込まない」「発生させない」「堆積させない」「速やかに除去する」というクリーンルームの四原則を遵守することが求められます。これらの原則は、クリーンルーム内で作業する全ての人の行動に関わってきます。

持ち込まない

クリーンルームの清浄度を保つ上で最も基本的な考え方が「持ち込まない」ことです。これは、外部から汚染物質や微粒子をクリーンルーム内に持ち込まないようにすることを指します。入室する作業者は、専用のクリーンルーム用ウェアを正しく着用し、エアーシャワーを通過して身体や衣服に付着した塵埃を除去してから入室することが重要です。また、クリーンルーム内に持ち込む物品も清浄化が必要です。許可されていない物品の持ち込みは厳禁となります。

発生させない

「発生させない」は、クリーンルーム内で微粒子や汚染物質が発生することを最小限に抑えるための原則です。汚染源となりうる要素を排除することが重要です。例えば、作業員の衣服や身体、使用する材料や機器、そして作業プロセス自体が粒子の発生源となります。 作業員は専用のクリーンルーム用ウェアを着用し、不必要な動きや摩擦を避けることで発塵を抑制します。 機器や材料も発塵しにくいものが選定され、必要に応じて清浄化されます。 これらの対策により、クリーンルーム内の清浄度を高く保つことが可能となります。

堆積させない

「堆積させない」は、クリーンルーム内で発生した微粒子や外部から侵入した汚染物質が、床や壁、装置の表面などに積もるのを防ぐための原則です。堆積した粒子は、再び舞い上がって製品を汚染する可能性があるため、これを防止することが重要となります。清掃しやすい構造にすることや、空気の流れを適切に管理することで、粒子の堆積を抑制します。また、帯電防止の素材を使用することも有効な手段の一つです。

速やかに除去する

クリーンルーム内に万が一、微粒子や化学物質などの汚染物質が侵入・発生してしまった場合、それらを速やかに除去する仕組みが重要です。これには、高性能なHEPAフィルターやULPAフィルターを備えた空気浄化システムが不可欠となります。これらのフィルターが空気中の微細な粒子を捕捉し、清浄な空気を循環させます。また、床や壁に堆積した汚染物質を取り除くための定期的な清掃や、特定の汚染物質に特化した除去装置の活用も、清浄度を維持するために重要な役割を果たします。これらの対策を組み合わせることで、クリーンルーム内の環境を常に最適な状態に保つことができます。

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可視光線、近赤外線のほとんどを反射し、また一部吸収した太陽エネルギーを遠赤外線として放散、さらに遮断層を作り熱伝導を防ぐ、といった特性を持つNASAが開発した特殊なセラミックで屋根や壁面を塗装。劣化の原因となる紫外線もカットして、断熱効果は長期間(10年以上※2)持続可能。コスパの高い断熱素材です。

※1 理想科学工業㈱霞ヶ浦工場の実例を元に、イメージ表示し得られたデータを元に室内空間の温度上昇を抑制することから、空調設備の温度を上げることで電気代等の削減が期待できます。
※2 クールサーム®の実証実験にて10年以上の耐久性を確認しています。詳しくは弊社スタッフまでお問い合わせください

SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
関西No.1のシステム建築実績。

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