プラント工事とは?

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プラント工事とは、工場や発電所などにおいて生産設備全体を新たに建設したり、既存の設備を修理・改修する工事のことをいいます。 本稿では、製造業にとって不可欠な存在といえるプラント工事について紹介していきます。

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この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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プラントとは


プラントとは、産業分野で使われる専門用語であり、複数の設備が有機的に連携して稼働する工場や生産施設全体を指します。例えば、火力発電所では燃料を燃やして蒸気を発生させるボイラー、蒸気の力で電力を生み出すタービン、そして発電した電力を効率的に送る送電設備が一体となって機能しています。こうした設備の集まり全体を「プラント」と呼びます。

プラントには発電所だけでなく、化学製品の製造工場、食品工場や医薬品工場、さらには廃棄物処理施設や水処理施設など、さまざまなものが存在します。いずれのプラントも、その目的や用途に応じて専門的な装置や技術が集約されており、運転管理や保守には高い専門知識と経験が求められます。産業活動の基盤となるこうした設備群が「プラント」と呼ばれる理由は、単に個々の装置の集合体ではなく、互いに連携したシステムとして全体最適化を図ることにあります。

プラント工事とは

プラント工事とは、生産設備や工場内の機械装置、配管、電気系統など、多様な設備を設置・修理・更新する工事を指します。一般的な建築工事とは異なり、建物の構造部分だけでなく、プラント内部の設備そのものの施工が中心となるのが特徴です。プラント工事の内容には、新設工事、設備の入れ替えや増設、定期的な保守点検、修繕工事など各種の工程が含まれており、工場の生産性向上や安全確保のために欠かせません。

こうした工事は、工程ごとに専門性の高い知識や技術が求められ、機械、配管、電気など複数の専門工種が連携して作業を進めます。プラント工事の流れとしては、事前の計画立案・設計から施工、試運転、完成検査まで一連の工程管理が重要です。また、安全対策を徹底し、作業環境を整えることもプラント工事の重要なポイントです。

プラント工事の種類


プラント工事にはさまざまな種類があり、それぞれの専門分野がプラント全体の円滑な稼働と機能維持に欠かせない役割を果たしています。

管工事

管工事は、工場内で使用されるさまざまな流体を運ぶための配管設置や補修を行う工事です。水や蒸気、ガス、油など各種流体の輸送が円滑に行われるように、管の種類や配管材料の適切な選定、確実な施工が求められます。

配管の耐久性や安全性を確保するために、各種用途や環境に応じて管の規格や材質を選び、綿密な設計と現場での正確な取り付け作業を実施します。管工事は、設備の稼働効率や製造品質を維持・向上させるために欠かせないものであり、各種管や配管の特性を理解した専門技術者の豊富な知識と経験が必要不可欠です。安全規則を厳守し、最新の技術や機器を活用しながら作業が進められています。

配管工事

配管工事は管工事の一部として扱われることもありますが、配管材料の加工や組み立てを含む、より専門的かつ重要な作業です。溶接やフランジ接続などの高度な技術を用いて、複雑な配管ルートを正確に構築するため、高い技術力と豊富な経験が不可欠です。また、配管工事はプラントの生産ラインで使用される配管内を流れる液体や気体などの物質について、その安全な輸送や漏れ防止を徹底的にサポートしています。作業時には厳密な品質管理が実施され、配管の施工後には圧力テストや漏れ検査が行われ、信頼できる配管網の構築に努めています。特に産業用配管では、規定に基づいた安全基準の遵守や高品質な仕上がりが求められるため、配管工事の役割は非常に重要です。

解体工事

解体工事は、老朽化した設備や不要になった構造物を安全に撤去する作業を指します。工事現場では、限られたスペースの中で作業を行うため、周囲の設備や作業環境への影響を最小限に抑えるよう、事前の十分な計画と慎重な工程管理が不可欠です。解体作業では廃材の分別や適切な処理も重視されており、環境に配慮した対策が求められます。また、解体工事を実施することで新たな設備の設置や改修工事の準備が整い、工場やプラントなどの工事現場において効率的な設備更新が実現できます。こうしたことから、解体工事はメンテナンスやリニューアルのサイクルの中で重要な工程の一つとなっています。

足場工事

足場工事は、建設現場において工事作業員の安全を守るために不可欠な仮設構造物を設置する作業です。とくに高所での作業が多いプラントや建設現場では、安定した足場の設置が作業効率や安全性の確保に大きく寄与します。足場は、作業員の通路や作業スペースだけでなく、資材や工具を安全に設置・管理する場所としても重要な役割を果たしており、建設工事全体の円滑な進行に欠かせません。施工時には、設置から撤去までの各工程で強度や安全基準を十分に満たすよう細心の注意が払われています。

建設工事

建設工事はプラントの施設そのものを建設する作業を指し、土木工事や建築工事が含まれます。基礎工事や建屋の建設、構造物の組み立てなど、多岐にわたる工程が存在し、プラントの基盤を作り上げる重要な役割を果たします。建設業においては、各工程ごとに必要な作業や材料の単価が綿密に見積もられ、適切なコスト管理が行われます。

これらの工事では設計図に基づき、品質管理や安全対策を徹底しながら施工が進められます。プラントの耐久性や機能性の土台となるため、強固で正確な建設が信頼性の鍵となります。完成後は生産設備を支える骨格として安定して稼働し、長期的な運用やメンテナンスのしやすさも重視されているのが建設業の特徴です。

電気工事

電気工事はプラント内で電力を安定的に供給し、各種設備や制御装置を効率的につなぐために不可欠な作業です。主な作業内容には、配線作業や変圧器設置、電気制御盤の設置が含まれており、これらには高度な電気知識と熟練した技能が要求されます。特に重要なのは安全第一の姿勢で、絶縁性能の確保や適切な接地工事にも細心の注意が払われ、この点が電気工事の品質と信頼性を左右します。さらに、電気設備はプラント全体の安定稼働に直結するため、故障やトラブルを未然に防ぐために厳密な検査や試験が実施されます。すべての電気工事が確実かつ丁寧に行われることにより、生産ラインやプラント全体の電気系統が安定し、効率的な運用が可能となります。

プラント工事の内容


プラント工事の内容には、生産設備の設置や改修、保守に関わる多様な作業が含まれています。工事現場では設備の基礎工事から始まり、配管や機械の据え付け、電気配線などの工程が幅広く行われ、これらすべてが工場の稼働を支える重要な内容です。また、企業ごとに異なる要件に対応するため、工事内容は現場の状況や生産ラインごとの仕様に合わせて最適化されます。

さらに、工場内部の安全対策や効率的な作業動線の確保も重要な工事内容の一部です。工事現場では高度な技術と管理能力が求められ、関連する多数の専門職が協力しながら作業を進めることで、安全かつスムーズな施工が実現します。

工事が完了した後も、企業の生産ラインが止まることなく稼働するよう、細かな調整や試運転といった工程が行われます。これら多様な内容を十分に管理することによって、プラント全体の信頼性や生産性が維持されています。

プラント工事の施工管理


プラント工事の施工管理は、工事の円滑な進行と安全確保のために欠かせない役割を担っています。施工管理業務を行う担当者は、一般的に「施工管理技士」などの資格を有していることが求められ、資格取得により専門知識や法令遵守に対する理解が深まります。工事スケジュールの調整や施工方法の確認、品質管理を適切に行い、計画通りの進行を目指します。

安全面では現場でのリスクを的確に把握し、作業員への安全指導や設備の点検を徹底しています。施工管理技士など有資格者が中心となり、専門的な知識で安全対策を実施することで、労働災害の防止にもつながります。また、多くの専門業者が関わるため、連携を取りながらコミュニケーションを円滑に進めることも重要です。

プラント工事に関わる会社

プラント工事では、プラント設備の設置や修理、保守などを専門とする会社が多数関与しています。これらの会社は高度な技術力を持ち、安全基準や品質管理に厳しく対応することが求められます。また、プラント工事を円滑かつ効率的に進めるためには、工事会社同士の連携やコミュニケーションも重要です。各会社がそれぞれの専門分野で役割を果たしながら協力し合うことで、高い安全性と施工品質を確保しています。プラント工事において信頼できる会社の選定は、プロジェクトの成功を大きく左右する要素となります。

配管会社

配管会社は、企業のプラント内で使用される配管の設計・製造・設置を専門に行います。企業の生産現場では、流体を安全かつ効率的に運搬できる配管システムの構築が重要となり、そのためには高精度の溶接技術や最適な材料選定が不可欠です。また、配管の耐久性と安全性を確保するため、厳しい品質管理だけでなく、企業ごとに定期的な点検やメンテナンスも実施されます。こうした配管会社の業務は、企業のプラントの生産効率向上と安全性確保を支える上で非常に重要な役割を果たしています。

電気会社

電気会社は、様々な企業のプラント内で必要となる電気設備の設計や施工を担当します。発電設備や制御システム、配線工事など幅広い分野に携わり、高度な電気技術が必要とされます。また、これらの企業向けに信頼性の高い電気インフラを整えることは、生産現場の効率化や省エネルギー化にも大きく貢献します。

安全面にも細心の注意を払い、電気トラブルを未然に防ぐ体制を常に整えており、企業の事業活動が安定して継続できるようサポートしています。確実な施工と品質管理が、プラント内の機器を安定的に稼働させるうえで重要です。

サブコン

サブコンは、建設業界において専門工事会社の総称であり、大手元請会社からの発注に基づき、配管工事、電気工事、機械据付工事など多種多様な工事を担当します。サブコンは、それぞれの技術分野に精通しているため、高度な専門性と確かな技術力を活かし、幅広い建設現場で必要とされる存在です。また、各専門作業の調整や工程管理を行うことで、プラント工事全体の完成度や品質を向上させる重要な役割を果たしています。複数の協力業者と密接に連携しながら、工期やコスト、品質のバランスを取りつつ、円滑な施工を推進するのもサブコンの大きな特徴です。

プラント工事業者の選び方


プラント工事業者を選ぶ際は、技術力や実績だけでなく、単価についても慎重に比較検討することが重要です。複雑で専門的な作業を伴うプラント工事では、確かな技術による高品質な施工と安全性の確保が不可欠ですが、コスト面で納得できる単価を提示しているかも選定基準となります。

工事の規模や内容に応じた柔軟な対応力を持つ業者は、予算面での提案も適切に行えるため、トータルコストを抑えつつ安心して任せられます。また、経験豊富な業者はトラブル発生時の迅速な対応が可能で、工期の遅延を最小限に抑えることにもつながります。

あわせて、コミュニケーションが円滑で施工管理がしっかりしている業者を選ぶことも大切です。工事全体の進捗状況や安全確保に関する情報を双方で適切に共有することで、無駄なリスクを防ぐことができます。技術力、実績、単価、対応力、管理体制のすべてを総合的に判断し、信頼できるプラント工事業者を見極めることが求められます。

建設業とプラント工事

建設業は、建物やインフラの新築や改修といった幅広い工事を手がけており、様々な工事現場で作業が行われます。その中でもプラント工事は、工場や発電所といった大規模な設備の建設や改修を担う専門性の高い分野として位置づけられています。一般的な建設業の工事現場が「建物の構造部分」に重点を置くのに対し、プラント工事では「設備の内部構造」に着目しており、配管、機械据え付け、電気設備など多岐にわたる技術が必要とされます。

また、プラント工事には、高度な専門知識や技術力を持つ業者が多く携わり、複雑かつ精密な作業が求められます。そのため、工事現場では工程管理や安全対策にも特に注意が必要です。プラント工事が円滑に進むことで、製造ラインや発電の効率的な稼働が実現し、産業活動の根幹を支える役割を果たしています。このように、建設業とプラント工事は密接につながりながらも、専門性や扱う対象によってそれぞれ異なる特徴を持っています。

まとめ

プラント工事は、単なる設備設置や修理にとどまらず、環境保全やエネルギー効率の向上を目指した最先端技術の導入も進められています。例えば、近年ではIoTやAIを活用したリモート監視システムの導入により、運転状況のリアルタイム把握や異常検知が可能となり、メンテナンス効率の飛躍的な向上が実現しています。

現在のプラント工事は、こうした技術革新に対応しながら、サステナビリティの観点からも注目されています。実際に、大手化学工場や発電所では、省エネルギー機器や排ガス浄化装置の設置工事が積極的に行われており、それに伴う工事管理の高度化が求められているのです。

これに加え、多様な専門職による連携がこれまで以上に重要視されています。施工管理者、機械工、電気技術者、配管工などが密に情報共有を行い、リスク管理や工程調整を的確に進めることで、工程遅延や安全事故の減少に大きく寄与しています。2023年のある統計では、こうした連携強化を図った案件での安全事故発生率が従来より約30%低減したという報告もあります。

このように、プラント工事は多岐にわたる技術と管理の融合により、生産現場の信頼性向上に貢献しています。今後は脱炭素化やデジタルトランスフォーメーションがさらに進展し、その技術・管理面の高度化によって、社会的なニーズに応え続けていきます。

プラント工事は、高度な専門技術と綿密な工程管理が求められる複合的な工事です。各種設備の設置や改修、保守を通じて、生産現場の安定稼働を支えています。多様な専門分野が連携しながら、安全面にも細心の注意を払って進められるため、効率的かつ信頼性の高いプラント運営が実現します。今後も技術革新と共に、その重要性はさらに増すと考えられます。

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SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
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