市街化調整区域で倉庫は建築できるの?必要な許可や建築までの流れ

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市街化調整区域で倉庫は建設できるの?必要な許可や建築・増築までの流れ | CANARIS(カナリス)
市街化調整区域での工場建設は、都市計画法により原則として抑制されています。 しかし、特定の条件を満たし、都道府県知事から開発許可を得ることで建築が可能になる場合があります。
この記事では、市街化調整区域の基本的な定義から、工場を建てる際のメリット・デメリット、許可される具体的なケース、建築までの流れ、そして注意点について解説します。
市街化調整区域とは

市街化調整区域とは、都市計画法に基づいて定められた区域の一つで、無秩序な市街化を抑制し、計画的な街づくりを進めるために設定されています。 この区域は、原則として建物の建築や開発行為が厳しく制限されており、主に農林漁業を営むための地域や、自然環境を保全すべき地域として位置づけられています。
市街化を促進する「市街化区域」とは対照的に、水道、ガス、下水道といったインフラ整備も積極的には行われません。 そのため、新たに工場などを建設する際には、通常の土地利用とは異なる厳しい基準や手続きが求められるのが特徴です。
市街化調整区域に工場を建てるメリット・デメリット

市街化調整区域での工場建設を検討する際は、メリットとデメリットの両方を正確に把握し、事業計画全体で総合的に判断することが不可欠です。 土地価格の安さという大きな利点がある一方で、インフラ整備や許認可手続きに伴う潜在的なコストや時間も考慮に入れる必要があります。
自社の事業内容や将来的な展望と照らし合わせ、慎重な検討が求められます。
メリット
市街化調整区域に工場を建設する最大のメリットは、土地価格の安さにあります。 市街化区域と比較して土地の評価額が低く設定されているため、広大な敷地を確保する場合でも初期投資を大幅に抑制できる可能性があります。 また、土地価格が安いことに伴い、固定資産税も低くなる傾向にあります。
これにより、工場操業後のランニングコストを削減できる点も大きな利点です。 企業の財務的な負担を軽減し、設備投資や他の事業へ資金を振り分ける余裕を生み出すことにもつながります。
デメリット
市街化調整区域のデメリットとして、まずインフラ整備が不十分な場合がある点が挙げられます。 水道、ガス、下水道などが整備されていない土地では、自社で引き込み工事を行う必要があり、高額な費用が発生する可能性があります。
また、開発許可を得るための手続きが複雑で、専門的な知識が求められる上に、申請から許可が下りるまでに長い時間を要することも少なくありません。 さらに、周辺に商業施設や公共交通機関が少ないことが多く、従業員の通勤や日常生活に不便が生じる可能性も考慮する必要があります。
市街化調整区域で倉庫を建築できる?

市街化調整区域では、原則として工場や倉庫を含む建築物の新築、増築、改築は認められていません。 これは、市街化を抑制するという区域指定の本来の目的があるためです。 建築が許可されるのは、都市計画法で定められた特定の要件を満たす、極めて例外的なケースに限られます。
そのため、単に「工場を建てたい」という理由だけでは建築許可を得ることは困難です。 どのような場合に建築が可能になるのか、法的な基準を正確に理解し、自社の事業がその基準に合致するかどうかを事前に見極めることが、計画を進める上での第一歩となります。
市街化調整区域で工場・倉庫の建築が許可される主なケース
市街化調整区域で工場や倉庫の建築が許可されるのは、都市計画法第34条に定められた基準に該当する場合です。 例えば、その地域で生産される農産物や水産物の処理加工に必要な施設や、鉱物資源を活用するための施設などがこれにあたります。
また、周辺に居住する人々の日常生活に必要な物品販売店舗や修理工場なども、一定の要件を満たせば許可の対象となり得ます。 さらに、区域指定前から宅地であった土地に、特定の条件の下で建築が認められる「既存権利の届出」という制度もあります。 ただし、これらの基準の適用は自治体の条例や判断によって異なるため、事前の確認が必須です。
既存工場の増築・改築は可能?
市街化調整区域にすでに存在する工場の増築や改築も、新築と同様に原則として開発許可が必要です。 無許可で工事を行うことはできません。 ただし、建築基準法の規定に基づく一定規模以下の増築・改築であれば、開発許可が不要となる場合があります。 また、区域が指定される前からすでに所有していた土地(既存宅地)での建て替えについても、一定の要件を満たせば認められる可能性があります。
しかし、これらの判断は非常に専門的であり、敷地の状況や自治体の条例によって扱いが大きく異なるため、計画段階で必ず行政の担当部署や専門家に相談し、許可の要否を確認することが重要です。
市街化調整区域で倉庫建築をする際に必要なこと
市街化調整区域で倉庫や工場を建築する上で最も重要なことは、都道府県知事による「開発許可」を取得することです。 この許可を得るためには、まず自社の事業計画が都市計画法に定められた立地基準に適合していることを証明しなくてはなりません。
具体的には、事業の必要性や周辺環境への影響、排水計画、インフラの確保といった技術的な基準をクリアする必要があります。 これらの基準を満たしていることを示すための詳細な申請書類を作成し、行政との事前協議を重ねることが求められます。 手続きは複雑で専門性を要するため、開発許可に詳しい専門家の支援を得ることが一般的です。
市街化調整区域での倉庫建築の流れ

市街化調整区域で倉庫や工場を建築するプロセスは、市街化区域とは大きく異なります。 土地の確保から始まり、最も重要な関門である開発許可の取得、各種調査を経て、ようやく建築開始へと至ります。
各段階で専門的な手続きと行政との協議が必要となり、全体のスケジュールを正確に把握しておくことが、計画を円滑に進める上で不可欠です。
土地の確保
市街化調整区域での工場建築は、まず適切な土地を確保することから始まります。 しかし、どの土地でも良いわけではなく、開発許可が得られる見込みのある土地を選定する必要があります。 土地の選定にあたっては、接道義務や排水経路、周辺環境などを考慮しなくてはなりません。
土地の売買契約を結ぶ前に、その土地で本当に工場建築が可能かどうか、自治体の開発指導課などの窓口で事前相談を行うことが極めて重要です。 この段階で、開発許可に精通した行政書士や、実績のある建設会社に相談し、専門的な視点から土地の評価をしてもらうことが、後の手続きをスムーズに進める鍵となります。
知事の開発許可を受ける
土地の選定後、事業計画を具体化し、都道府県知事に対して開発許可の申請を行います。 このプロセスは、市街化調整区域での工場建築における最大の関門です。 まず、自治体の担当部署と複数回にわたる事前協議を行い、計画の概要や法的な適合性について調整を進めます。 協議が整ったら、開発許可申請書に設計図や事業計画書など、多数の専門的な書類を添付して提出します。
その後、行政による審査が行われ、基準に適合していると判断されれば開発許可が下ります。 この一連の手続きには、専門知識と多くの時間が必要となるのが一般的です。
各種調査を受ける
開発許可の申請と並行して、または許可後に、建設予定地に関する各種調査が必要になる場合があります。 代表的なものとして、建物の安全性を確保するための地盤調査が挙げられます。 調査の結果、地盤が軟弱であると判明した場合は、地盤改良工事などの追加費用が発生する可能性があります。
また、土地の場所によっては、埋蔵文化財の調査が義務付けられることもあります。 もし遺跡などが発見された場合は、発掘調査が必要となり、工期や計画に大きな影響を及ぼすことも考えられます。 これらの調査は、事業のコストやスケジュールを左右する重要な要素です。
倉庫の建築開始
知事による開発許可が下りた後、建築基準法に基づく「建築確認」の申請を行います。設計図が建築基準法や関連法令に適合しているかどうかの審査を受け、問題がなければ「建築確認済証」が交付されます。
しかし、開発許可を受けた土地では、原則として開発工事が完了し、完了公告が行われるまでは建築工事に着手できません。 ただし、許可権者の承認を得た場合や、工事用の仮設建築物の建築、開発行為に不同意の者が行う建築など、例外的に工事完了公告前に建築工事に着手できるケースもあります。
つまり、土地を確保し、開発許可を得て、さらに建築確認を受けるという複数のステップをクリアし、原則として開発工事の完了公告を待って、ようやく実際の建築工事に着手できるのです。工事完了後も、完了検査を受けて「検査済証」の交付を受ける必要があります。
市街化調整区域で工場を建築する際の注意点

市街化調整区域で工場を建築する際には、いくつかの重要な注意点があります。 まず、土地の安さだけで安易に購入を決めず、必ず自治体の担当窓口で建築が可能かどうかの事前相談を行うことが不可欠です。 自治体ごとに条例や運用基準が異なるため、個別の確認が欠かせません。
次に、開発許可の申請手続きは非常に専門的で複雑なため、早い段階から開発許可に詳しい行政書士や、当該区域での建築実績が豊富な建設会社などの専門家と連携することが成功の鍵となります。 最後に、許可取得やインフラ整備に想定以上の時間と費用がかかる可能性を考慮し、余裕を持った資金計画と事業スケジュールを策定することが求められます。
おわりに
市街化調整区域における工場建設は、都市計画法による厳しい規制のため、原則として許可されません。 しかし、地域の特性や事業内容が法の定める要件に合致し、都道府県知事の開発許可を得ることで、建築が可能になる道も存在します。
土地取得費用の抑制というメリットがある一方で、複雑な許認可手続きやインフラ整備費用といった課題も伴います。 計画を検討する際は、専門家の助言を得ながら、法令の要件と事業計画を慎重に照らし合わせ、総合的な視点で判断することが必要です。
よくある質問

市街化調整区域における工場建設は専門的な知識が求められるため多くの疑問が生じます。 ここでは特に多く寄せられる質問として建設の総費用必要な期間そして相談先に関する疑問について回答します。 これらの情報を参考に具体的な計画検討の第一歩としてください。
市街化調整区域の土地は安いですが、工場建設の総費用も安く済みますか?
土地代が安いという理由だけで工場建設の総費用も安くなるとは限りません。 市街化調整区域の土地は、水道、ガス、下水道などのインフラが整備されていない場合が多く、その引き込み工事に多額の費用が発生する可能性があります。
また、土地を造成するための費用や、複雑な開発許可申請を専門家に依頼するためのコンサルティング費用も必要です。 これらの追加費用を考慮すると、結果的に市街化区域で建設するよりも総費用が高くなるケースも少なくありません。 土地代だけでなく、インフラ整備費や申請費用を含めた総額でコストを比較検討する必要があります。
開発許可の申請から工場の建築開始まで、どれくらいの期間がかかりますか?
開発許可申請から工場建築開始までの期間は、案件規模や内容、自治体審査状況によって大きく変動するため一概には言えませんが、一般的に半年から1年以上かかることが多いです。 この期間には、自治体との事前協議、膨大な申請書類作成と準備、行政による審査、許可後の建築確認申請といった複数のステップが含まれます。
特に事前協議や審査には想定以上の時間を要する場合があるため、事業計画を立てる際には、時間に十分な余裕を持たせたスケジュールを組むことが不可欠です。
市街化調整区域での工場建築は誰に相談すればよいですか?
市街化調整区域での工場建築を検討する場合、相談先は複数考えられます。 まず、計画地の自治体にある都市計画課や開発指導課などの担当窓口に相談し、基本的な規制や建築の可能性について確認するのが第一歩です。 次に、具体的な手続きを進める段階では、開発許可申請を専門とする行政書士に相談するのが有効です。
また、設計から施工までを一貫して依頼する場合は、市街化調整区域での工場建築実績が豊富な設計事務所や建設会社に相談することが望ましいです。 これらの専門家は、過去の経験から得たノウハウを持っており、計画を円滑に進めるための強力なパートナーとなります。
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| 本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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