冷蔵・冷凍庫完備の工場・倉庫で起きる結露問題!原因や対処法は?

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冷蔵冷凍設備のある工場や倉庫において、結露は避けられない問題です。結露は単に水滴が付着するだけでなく、カビやダニの発生、建物の劣化、さらには製品の品質低下や従業員の健康被害、転倒事故など、多岐にわたる深刻な影響を引き起こす可能性があります。本記事では、結露の発生メカニズムから具体的な対策、そして専門家への相談先まで、管理者や現場で働く方々が知っておくべき情報を詳しく解説します。

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この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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冷蔵・冷凍庫完備の工場・倉庫で起きる結露問題!原因や対処法は?


工場や倉庫において冷蔵・冷凍設備は不可欠ですが、それに伴う結露問題は多くのトラブルを引き起こす可能性があります。結露はカビやダニの発生、設備の劣化、製品の品質低下、そして従業員の健康被害や転倒事故など、様々な悪影響をもたらすため、その原因を理解し適切な対策を講じることが重要です。

結露のメカニズムについて


結露とは、空気中に含まれる水蒸気が冷たい表面に触れて凝縮し、水滴となる現象を指します。これは、冷たい飲み物の入ったコップの外側に水滴が付いたり、冬の寒い日に窓ガラスに水滴が付く現象と同じ原理です。特に温度差が大きい場所で発生しやすく、暖かく湿った空気が冷やされることで、空気が含むことのできる水分量が減少し、余分な水分が水滴となって現れます。冷蔵・冷凍庫を完備する工場や倉庫では、庫内と外部の温度差が大きいため、結露が非常に発生しやすい環境と言えます。

冷蔵・冷凍庫で結露が発生する主な原因

冷蔵冷凍庫で結露が発生する主な原因は、庫内と外部の大きな温度差と、高湿度な外気の侵入です。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができるため、暖かく湿度の高い外気が冷蔵冷凍庫の冷たい庫内に侵入すると、急激に冷やされて空気中の水蒸気が凝縮し、水滴として結露が発生します。これは、ドアの開閉頻度や開閉時間が長くなると、より多くの外気が庫内に入り込むため、結露が発生しやすくなる要因となります。また、冷蔵冷凍庫のドアパッキンの劣化や吹き出し口の詰まりも、暖かい空気の侵入や冷気の循環不良を引き起こし、結露の原因となることがあります。さらに、工場や倉庫の構造も結露の発生に影響を与え、熱伝導率の高いコンクリートの壁や床は、外気の影響を受けやすく、表面温度が下がることで結露が生じやすくなります。

霜が発生する原因と結露との関係

冷蔵庫や冷凍庫に霜が発生する主な原因は、温度差による結露です。庫内の空気中に含まれる水蒸気が冷却によって凝縮し、水滴になりますが、それがさらに冷やされることで凍結し、霜として付着します。ドアの開閉によって外の湿気を含んだ空気が庫内に入り込むたびに結露が発生し、それが繰り返し凍結することで霜が蓄積されていきます。特に、直冷式冷蔵庫は冷却器から直接冷気を送るため、結露や霜が発生しやすい傾向にあります。ドアパッキンの劣化によって隙間から暖かい空気が侵入したり、庫内の吹き出し口が詰まって冷気の循環が悪くなったりすることも、結露や霜の発生を促進します。

冷蔵・冷凍庫の結露が発生することによる影響とは?


冷蔵・冷凍庫で結露が発生すると、様々な深刻な問題を引き起こす可能性があります。まず、製品への直接的な影響として、カビの発生や異物混入のリスクが高まります。カビは見た目の悪化だけでなく、悪臭の原因となり、製品の品質低下や信用問題に直結します。また、結露によって床が濡れることで、従業員の転倒事故やフォークリフトのスリップ事故など、重大な労働災害につながる危険性もあります。設備面では、金属部分の錆や建材の腐食を引き起こし、建物の強度が低下したり、機械や設備の故障、性能低下につながったりする恐れがあります。さらに、結露は漏電による機械の故障や感電のリスクも高めます。従業員の健康面にも影響があり、カビやダニの発生はアレルギー症状や呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。加えて、結露によって空調設備の効率が低下し、電力消費が増加することで、運用コストの増加にもつながります。

冷凍庫内の乾燥問題:結露との意外な関係

冷凍庫は一見すると湿気とは無縁に思えますが、実は乾燥問題と結露は意外な関係にあります。多くの冷凍庫や冷蔵庫に普及している強制対流式(ファン式)は、結露を防ぐために庫内の余分な湿気を排出する仕組みになっています。これにより、庫内の湿度が低下し、食品が乾燥しやすくなることがあります。食品に含まれる水分は温度の低い方へ移動する性質があるため、庫内が乾燥していると食品から水分が奪われ、品質劣化につながるのです。また、冷凍庫のドアの開閉による外気の侵入と再冷却の繰り返しは、食品に付着した氷結晶の変化を引き起こし、見えない品質劣化のリスクを高めます。つまり、結露対策として湿気を排出する一方で、過度な乾燥は食品の品質保持において新たな課題を生み出す可能性があるため、湿度管理のバランスが重要になります。

工場・倉庫で結露が発生しにくくなるようにできること


工場や倉庫で結露の発生を抑制するためには、いくつかの対策を講じることが可能です。まず基本的な対策として、換気を徹底し、湿気を含んだ空気を外部に排出することが重要です。窓やドアを複数開けて空気の通り道を作ることで、効率的な換気を促せます。また、シーリングファンやベンチレーターを設置して空気の循環を促すことも有効です。除湿機の設置や、除湿・吸湿マット、業務用の除湿剤の活用も、室内の湿度を下げるのに役立ちます。さらに、断熱塗料や結露防止塗料を施工し、建物の断熱性を高めることで、屋内外の温度差を軽減し、結露の発生自体を抑えることができます。冷蔵・冷凍庫においては、庫内と外部の温度差を小さくする工夫や、外気の侵入を最小限に抑えることも重要です。

結露対策の具体的な方法

結露対策には様々な具体的な方法があります。まず、最も基本的なのが「換気の徹底」です。窓や扉を対角線上に開け、空気の通り道を作ることで、湿気を含んだ空気を効率的に排出し、新鮮な空気を取り入れられます。特に空調設備がない場合は、この方法が効果的です。次に、「シーリングファンやエア搬送ファンの導入」も有効です。これらのファンは、工場や倉庫のような広い空間でも空気を循環させ、湿気がこもるのを防ぎます。これにより、空調効率の向上も期待できます。また、「除湿機の設置」も湿度管理に役立ち、結露の発生を抑えることが可能です。「断熱パネルの設置」は、庫内と外部の温度差を小さくし、結露が発生しにくい環境を作ります。特に、建物の外壁材の内側に断熱パネルを設置することで、二重壁内の結露を防ぐ対策も有効です。さらに、「断熱塗料や結露防止塗料の施工」は、建物の表面温度変化を抑制し、結露の発生を軽減します。結露防止塗料は、発生した結露水を吸収する効果も期待できます。「外気の侵入を防ぐ」ことも重要です。エアーカーテンや高速シートシャッターの設置、ドックシェルターの導入などが有効です。「温度・湿度の適切な管理」も欠かせません。庫内を一定の温度に保ちつつ、適切な湿度(40~50%程度)を維持することで、結露が発生しにくくなります。最後に、冷凍庫前の通路や荷捌き場には、施工段階でフロアヒーターを敷設することで、床面の結露を防ぐことができます。

冷凍庫内の湿度管理と食品の品質保持

冷凍庫内の湿度管理は、食品の品質保持において極めて重要です。適切な湿度を維持することで、食品の乾燥を防ぎ、品質劣化を抑制できます。食品の種類によって最適な湿度は異なりますが、一般的に冷凍食品は-18℃以下での保存が推奨されており、微生物の増殖を抑制し、品質を長期間維持することが可能です。しかし、多くの冷凍庫では結露防止のために湿気が排出されやすく、食品が乾燥してしまうことがあります。これを防ぐためには、気化式の加湿機を導入し、庫内の湿度を適切に保つことが有効です。特に農作物の保管においては、高湿度でも結露がつきにくい気化式加湿機が有効とされています。食材の保存量を適量に保ち、空気循環を妨げないことも、結露を防ぎつつ食品の品質を維持する上で重要です。温度・湿度を自動で記録・監視するシステムを導入することで、リアルタイムでの状況把握と適切な管理が可能となり、人為的なミスを減らし、品質管理の効率化に貢献します。定期的なメンテナンスも重要で、空調設備のフィルター清掃や冷媒の点検を行うことで、設備の効率を保ち、安定した温度・湿度管理を実現できます。これらの対策を総合的に実施することで、冷凍庫内の湿度を適切に管理し、食品の品質を確実に保持することが可能となります。

工場・倉庫の結露に関するお悩みは澤村へご相談を


工場や倉庫における結露問題は、単なる水滴の問題にとどまらず、カビやダニの発生、建物の劣化、製品の品質低下、さらには従業員の健康被害や転倒事故など、多岐にわたる深刻な影響を引き起こす可能性があります。特に、冷蔵・冷凍設備が不可欠な施設では、庫内と外部の大きな温度差により、結露が発生しやすい環境にあります。結露は一度発生すると完全に防ぐことが非常に困難であり、対処が遅れると余計なコストが発生したり、根本的な解決に至らなかったりするケースもあります。そのため、施設の計画段階から結露対策を十分に考慮し、専門的な知識を持った業者に相談することが重要です。弊社では、結露のトラブルが起きにくい工場や倉庫の工事を承っておりますので、結露に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

まとめ

工場や倉庫における冷蔵・冷凍庫の結露は、単なる水滴の問題にとどまらず、施設の安全性や製品の品質、さらには従業員の健康にまで影響を及ぼす深刻な課題です。結露の主な原因は、庫内外の温度差と湿気を含んだ外気の侵入であり、これらが複合的に作用することで発生します。結露はカビやダニの発生、建物の劣化、設備の故障、床の滑りによる事故、そして食品の品質低下など、多くの弊害を引き起こします。これらの問題に対処するためには、換気の徹底、シーリングファンや除湿機の導入による湿度管理、断熱パネルや結露防止塗料の施工による建物の断熱性向上、そして外気の侵入を最小限に抑える工夫などが有効です。また、食品の品質を保持するためには、冷凍庫内の過度な乾燥を防ぐ湿度管理も重要であり、温湿度監視システムの導入なども有効な手段となります。結露は一度発生すると根本的な解決が難しいため、施設の計画段階から専門家と連携し、適切な結露対策を講じることが、長期的な視点でのコスト削減と安全な事業運営に繋がります。

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SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
関西No.1のシステム建築実績。

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