工場固定資産税の計算方法|倉庫はいくら?軽減策も解説

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工場や倉庫を所有する事業者にとって、固定資産税は毎年発生する重要なコストです。 この税金は土地、建物、そして事業用の設備にも課税されるため、その計算方法を正しく理解し、適切な対策を講じることが経営の安定化につながります。

この記事では、工場や倉庫にかかる固定資産税の具体的な計算方法から、税負担を軽減するための実践的な節税策までを解説します。

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この記事の監修者

株式会社澤村(SAWAMURA)

山々に囲まれ、琵琶湖を臨む滋賀県高島市。
株式会社澤村は1950年の創業以来、地域とともに歩みながら、信頼・実績・技術を受け継いできました。
現在、フィールドは滋賀・京都・福井まで広がり、130名を超えるスタッフと共に、設計・施工の一貫体制でお客さまのご要望にお応えしています。
本コラムは株式会社澤村が運営する工場建築・倉庫建築に関するお役立ちコラムです。

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工場の固定資産税とは?課税対象になる3つの資産


固定資産税は、毎年1月1日時点で土地、家屋、償却資産を所有している者に対して、その資産が所在する市町村が課税する地方税です。 工場や倉庫の場合、課税対象は主に「土地」「家屋」「償却資産」の3つに分類されます。 土地は工場の敷地、家屋は工場や事務所の建物を指し、償却資産には事業に使用する機械や設備が含まれますれます。

これらの資産それぞれに評価額が算出され、税額が決定されます。

土地:工場が建っている敷地

工場が立地している敷地である工場用地は、固定資産税の課税対象となる土地に該当します。 土地の税額を計算する際の基準となる評価額は、市町村が国の定めた固定資産評価基準に基づいて決定します。 この評価額は、地価公示価格の70%程度が目安とされていますが、土地の形状、面積、道路への接面状況といった個別要因によって変動します。

また、土地の評価額は原則として3年に一度見直され、これを「評価替え」と呼びます。 評価替えの年度には、地価の変動が評価額に反映されます。

家屋:工場や倉庫などの建物

工場や倉庫、事務所といった事業用の建物は「家屋」として固定資産税の課税対象となります。 家屋の評価は、同じ建物を評価の時点でもう一度新築した場合にかかる費用(再建築価格)を算出し、そこから建築後の年数の経過によって生じる価値の減少分(経年減点補正)を差し引いて評価額を決定する「再建築価格方式」が用いられます。

建物の構造(木造、鉄骨造など)や使用されている資材、設備の状況などが評価に影響し、新築・増築時には地方自治体の職員による家屋調査が実施されるのが一般的です。

償却資産:事業用の機械や設備

償却資産とは、土地や家屋以外の事業用資産で、法人税法または所得税税法で減価償却の対象となるものを指します。 工場においては、製造ラインを構成する機械や各種製造設備、受変電設備、福利厚生施設などがこれに該当します。

土地や家屋と異なり、償却資産は所有者が毎年1月1日時点での所有状況を、その年の1月31日までに資産が所在する市町村へ申告する必要があります。 申告漏れや過少申告が発覚した場合は、遡って課税されるだけでなく、延滞金が加算される可能性もあるため注意が必要です。

【資産別】工場にかかる固定資産税の計算方法をシミュレーション


工場の固定資産税は、原則として「課税標準額×税率」という計算式で算出されます。 税率は標準税率である1.4%が多くの自治体で採用されていますが、一部異なる税率を定めている場合もあります。 課税標準額は、基本的には市町村が算定した固定資産税評価額が基になります。

ここでは、課税対象となる「土地」「建物」「設備(償却資産)」の3つの資産別に、それぞれの税額計算の考え方と流れを解説します。

土地(工場用地)の固定資産税額の求め方

土地の固定資産税は、「課税標準額×税率(1.4%)」で計算されます。 工場用地の場合、課税標準額は原則として固定資産税評価額と同額になります。 住宅が建っている土地に適用される「住宅用地の特例」のような税負担を軽減する措置は、工場用地には基本的に適用されません。 したがって、評価額がそのまま課税の基礎となります。

例えば、課税標準額が5,000万円の工場用地であれば、5,000万円×1.4%=70万円が年間の固定資産税額となります。 また、土地が市街化区域内に所在する場合は、固定資産税に加えて都市計画税(制限税率0.3%)も課されることがあります。

建物(工場・倉庫)の固定資産税額の求め方

建物(工場・倉庫)の固定資産税も、「課税標準額×税率(1.4%)」で求められます。 建物の課税標準額は、原則として固定資産税評価額です。 この評価額は、新築時に行われる家屋調査の結果を基に決定され、その後は3年ごとの評価替えのタイミングで、経年劣化による価値の減少を反映して見直されます。

例えば、建物の課税標準額が8,000万円の場合、年間の固定資産税は8,000万円×1.4%=112万円となります。 自治体によっては標準税率の1.4%と異なる税率を設定しているケースもあるため、正確な税額は納税通知書や自治体の公式サイトで確認することが重要です。

設備(償却資産)の固定資産税額の求め方

償却資産の固定資産税は、所有する償却資産の評価額を合計した課税標準額に税率(1.4%)を乗じて算出します。 各資産の評価額は、毎年「前年度の評価額×(1-減価率)」という計算式で求められます。 減価率は、資産の耐用年数に応じて定められています。 初年度の評価額は「取得価額×(1-減価率/2)」で計算されます。

例えば、課税標準額の合計が2,000万円であれば、2,000万円×1.4%=28万円が税額です。 なお、課税標準額の合計が150万円未満の場合は免税点となり、償却資産に対する固定資産税は課税されません。

工場の固定資産税を安くするための4つの軽減策


工場経営において、固定資産税は継続的に発生する大きなコストです。 しかし、法律や自治体の制度を正しく理解し活用することで、その負担を軽減できる可能性があります。 設備投資のタイミングや資産の所有形態を見直すこと、あるいは行政が提供する優遇措置を積極的に利用することが節税につながります。

ここでは、工場の固定資産税を安くするために検討すべき、複数の軽減策について紹介します。

新築・増築時に利用できる税金の軽減措置

中小企業が生産性向上を目的として特定の機械や設備を導入する際、「先端設備等導入計画」の認定を自治体から受けることで、税制上の優遇措置を受けられる場合があります。 この制度を活用すると、計画に基づき新規に取得した償却資産にかかる固定資産税が、取得後の3年間にわたって課税標準が2分の1または3分の1に軽減されます。また、賃上げ方針を表明した場合は、軽減率の引き上げや適用期間の延長がされる可能性があります。

適用を受けるためには、設備投資を行う前に計画を策定し、自治体の認定を得る必要があります。 これから新たな設備投資を検討している場合は、自社の計画が対象となるか、所在地の市町村役場に問い合わせてみるとよいでしょう。

特定の地域で適用される税制優遇を活用する

地方自治体によっては、地域経済の活性化や企業誘致を目的として、独自の固定資産税に関する優遇措置を設けていることがあります。 例えば、過疎地域や工業団地などに工場を新設・増設する場合、一定期間の固定資産税が免除されたり、通常よりも低い税率が適用されたりする(不均一課税)といった制度です。

これらの優遇措置は自治体ごとに要件や内容が異なるため、工場の新設や移転を計画する際には、候補となる地域の自治体のウェブサイトを確認したり、商工担当部署に直接問い合わせたりして、利用可能な制度がないか事前に調査することが重要です。

機械や設備をリース契約に切り替える

償却資産にかかる固定資産税は、その資産の所有者に納税義務があります。 そのため、自社で機械や設備を直接購入して所有するのではなく、リース会社から借り入れる「リース契約」に切り替えるという方法も有効です。

リースを利用した場合、資産の所有権はリース会社にあるため、固定資産税の申告・納税義務はリース会社が負うことになります。 これにより、自社の償却資産を減らし、固定資産税の負担を軽減できます。 ただし、月々のリース料には固定資産税相当額や保険料などが含まれていることが多いため、購入した場合とのトータルコストを比較検討することが求められます。

使用していない工場や土地は売却や活用を検討する

事業に直接貢献しておらず、収益を生み出していない工場や土地、いわゆる遊休資産を所有し続けることは、固定資産税の負担だけが毎年発生する非効率な状態です。 もし将来的に活用する見込みがないのであれば、売却してキャッシュフローを改善するか、他の事業者へ賃貸して収益化を図るなどの対策を検討すべきです。

遊休資産を処分または活用することで、不要な税金の支払いをなくし、得られた資金を新たな設備投資や事業運転資金に充当するなど、経営資源をより有効に配分することが可能になります。

使っていない工場や倉庫でも固定資産税はかかる?


固定資産税は、資産を利用しているかどうかに関わらず、所有しているという事実そのものに対して課される税金です。 したがって、工場の稼働を停止していたり、倉庫が空の状態であったりしても、所有者である限り納税の義務は毎年発生します。 事業の収益に貢献していない資産であっても、税負担は続くため、その取り扱いについては早期に検討することが重要です。

毎年1月1日時点の所有者に対して課税されるため、たとえ年間を通じて全く使用していなくても納税義務は免れません。 特に、建物を解体して更地にした場合、建物分の固定資産税はなくなりますが、土地に対する固定資産税の評価が変わる可能性があります。 個人の住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され税負担が軽減されますが、工場の敷地を更地にしてもそのような軽減措置はありません。 しかし、老朽化が進んだ不要な建物を解体すれば、その分の税負担は軽減されます。 使っていない資産は、税金というコストだけを生み出すため、売却や賃貸などの有効活用を速やかに検討する必要があります。

よくある質問


工場の固定資産税については、日々の経理業務や経営判断の中で多くの疑問が生じます。 特に、税額の基礎となる評価額をどのように確認するのか、納税はいつ、どのような方法で行うのか、また、経営が厳しい赤字の状況でも支払わなければならないのか、といった点は多くの事業者が知りたいポイントです。

ここでは、そうした実務上でよくある質問とその回答をまとめました。

工場の固定資産税の評価額はどこで確認できますか?

土地と家屋の固定資産税評価額は、毎年4月から6月頃に市町村から送付される「固定資産税・都市計画税納税通知書」に添付されている「課税明細書」で確認できます。 課税明細書には、所有する土地や家屋ごとに所在地番、面積、評価額、課税標準額などが一覧で記載されています。

また、納税通知書が届く前や紛失した場合でも、管轄の市町村役場の税務担当課などで「固定資産評価証明書」を取得するか、「固定資産課税台帳」を閲覧することで評価額の確認が可能です。 なお、償却資産の評価額は、自社が提出した申告書に基づいて計算されます。

固定資産税はいつ、どのように支払うのですか?

固定資産税は、市町村から送付される納税通知書を用いて納付します。 納期は年4回に分けて支払う「期別納付」が一般的で、具体的な納期限は自治体によって異なりますが、おおよそ6月末、9月末、12月末、翌年2月末に設定されていることが多いです。

第1期の納期限までに1年分をまとめて支払う「全期前納」も選択できます。 支払い方法は、納税通知書を持参して金融機関の窓口やコンビニエンスストアで支払う方法のほか、口座振替やクレジットカード払い、スマートフォン決済アプリを利用した納付に対応している自治体も増えています。

赤字経営でも固定資産税の支払いは必要ですか?

結論として、たとえ会社の経営が赤字であっても固定資産税の支払い義務はあります。 法人税や事業税が企業の所得(利益)に対して課税されるのに対し、固定資産税は資産を所有している事実そのものに対して課税される「財産税」の一種だからです。

そのため、事業の収益状況に関わらず、毎年1月1日時点で対象となる資産を所有していれば、納税義務が発生します。 利益が出ていない状況でも発生するコストであるため、資金繰り計画に確実に組み込んでおく必要があります。 万が一、支払いが困難な場合は、延滞金が発生する前に自治体の窓口へ相談し、分割納付などの対応が可能か確認することが重要です。

まとめ

工場の固定資産税は、事業所が所在する「土地」、工場や倉庫などの「家屋」、そして生産に使用する「償却資産」という3つの資産に対して課税されます。 税額は、これらの資産それぞれの課税標準額に標準税率1.4%を乗じて算出され、特に償却資産については所有者による毎年の申告が不可欠です。

税負担を軽減するためには、先端設備等導入計画のような制度の活用、税制優遇がある地域への立地検討、資産の所有形態をリースへ切り替える、あるいは使用していない資産を売却するといった対策が考えられます。 企業の収益状況に関わらず支払い義務が生じるため、正確な納税と計画的な節税対策の実行が事業の継続において重要です。

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SAWAMURAについて

1950年の創業以来、地域に貢献すること、お客様の事業の発展に寄与することを目標に
さまざまな建築物を竣工してきました。1998年よりシステム建築事業をスタート。
豊富な経験と実績をもとに、さまざまなご要望にお応えします。

関西No.1のシステム建築実績。
積み重ねた施工実績とノウハウで、
確かな精度を保証します。

2020年
関西ブロック優秀ビルダー賞1位
2019年
関西ブロック優秀ビルダー賞3位
関西ブロック年間販売実績 第1位 5年連続受注賞
アティブビルダー銀賞受賞
2018年
関西ブロック年間販売実績 第3位 5年連続受注賞
アクティブビルダー銅賞受賞
2017年
アクティブビルダー銅賞受賞
2016年
アクティブビルダー銅賞受賞
2015年
アクティブビルダー 銅賞受賞
2012年
連続販売年数15年達成
2013年
15年連続受注賞
2008年
10年連続受注賞 2005年 5年連続受注賞
2004年
優秀ビルディング

資格所有者

  • 一級建築士 13人
    二級建築士 41人
    一級建築施工管理技士 29人
    一級土木施工管理技士 10人
  • 宅地建物取引士 19人
    設備設計一級建築士 1人
    土地家屋調査士 1人
    一級建設業経理士 2人
    中小企業診断士 1人​

会社概要

社名 株式会社澤村
本社 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3
TEL. 0740-36-0130(代)
FAX. 0740-36-1661
大津オフィス 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F
TEL. 077-572-3879
FAX. 077-573-8384
敦賀オフィス 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10
TEL. 0770-22-6005
FAX. 0770-47-6405
資材センター 滋賀県高島市勝野873-1
創業 昭和25年12月6日
資本金 50,000,000円(グループ全体)
従業員数 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在
売上高 63億円(グループ全体)※2024年9月実績
営業種目 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用
許可・登録 〈建設業許可〉 
滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号
〈一級建築士事務所〉 
滋賀県知事登録(カ) 第126号
〈宅地建物取引業者〉 
滋賀県知事登録(12) 第1267号
取引銀行 滋賀銀行 高島支店
関西みらい銀行 安曇川支店
滋賀県信用組合 安曇川支店
関連会社 株式会社トータル・オーガニック・プランニング
沢村ホーム株式会社
関西No.1のシステム建築実績。

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